「マハラージャ」って一体何者?

インドにはかつて「マハラージャ」と呼ばれる王様が各地を治めていました。もともとは王のことを「ラージャ」と呼んでいたのですが、やがてその中でも特に力のあるものを「マハラージャ(大王)」と呼ぶようになりました。やがて「マハラージャ」も増えすぎてインフレ状態になり、王はみんなマハラージャになってしまうのですが(笑) さて、インドの広い範囲をムガル帝国が治めるようになったあとも、帝国に恭順した各王国のマハラージャたちは、大幅に自治を認められていました。その後、インドはイギリスの統治下に入りますが、インド内にはイギリスの直轄領のほかにこうしたマハラージャたちが治める「藩王国」もかなりありました。これは日本の江戸時代の藩のようなものと思えばいいでしょうね。

一度は泊まってみたい! インドの宮殿ホテルとは? その1 一度は泊まってみたい! インドの宮殿ホテルとは? その1

マハラージャが所有していた建物がホテルに

こうした藩王国は、第二次世界大戦後にインドが独立するまで存続しました。しかしインド独立と共に藩王国は廃止され、いくつかがまとめられて現在のような「州」が作られます。日本の明治の「廃藩置県」のようなものでしょうか。これによりマハラージャは多くの資産を失うばかりか、徴税権も失います。つまりマハラージャと言えども、インド独立後は働かなくてはならなくなったのです。ある者は土地を売り、起業し、そしてある者は知名度を生かして政治家になりました。そしてたいていのマハラージャは王国内にいくつもの私邸を持っていたので、それらの建物を利用してホテル業を始める者もいました。これらのホテルが、インドでいう「パレスホテル(宮殿ホテル)」なのです。

ラージャスタン州に多い宮殿ホテル

そのためインドの宮殿ホテルの多くは、イギリス直轄領ではなく藩王国だったところにあります。なかでも人気の宮殿ホテルは、デリーとムンバイの間のインド北西部にあるラージャスタン州にあります。ラージャスタンは大きな都市ごとに藩王が治める小さな王国に分かれていたため、個性ある都市が多くて観光客も多いのです。インドにはこうしたマハラージャの私邸を利用した「宮殿ホテル」以外にも、貴族や富豪の古い邸宅を利用したクラシックなホテルも数多くあり、こちらは「ヘリテージホテル」と呼ばれています。これらのホテルの建築は凝っており、「泊まってみたい」と思わせるものがあるのです。