- 鈴木千晶
- インド(ベナレス)在住。旅行で訪れたインドに魅了され早10数年。2001年にヒンディー語留学の為渡印。現在はガンジス河のほとりベナレスで日本語教師・ライターの仕事をこなしつつ、日印交流の為日々奮闘中。インド観光情報はもちろんのこと生活・文化についても発信していきます。
出発エリアをに変更しました。
河に面して立ち並ぶ館や寺院。上流から下流まで河岸には100近いガートが連なっています
ガンジス河のほとりにあるベナレスは、世界に現存する最古の町の一つだと言われています。この町の最大の見ものといえばやはりガンジス河。河岸には昔のマハラジャの石造りの館が立ち並び、中世のムード満点です。沐浴する人々や、河岸の館や寺院を見るのなら、ボートでの河くだりがおすすめ。ボートはどの時間でも楽しめますが、私のおすすめは何といっても朝!ガートの対岸から昇る朝日に照らし出されるガンジス河はこの世のものとは思えない美しさです。ぜひ早起きして出かけてください。日の出は季節によって異なりますが、大体6時から7時の間です。
ボートを漕ぐだけでなく、各ガートの特徴、町の歴史などをガイドしてくれます。知りたいことがあれば質問してみましょう
メインガートと呼ばれるダシャーシュワメード・ガートに行くと、たくさんのボートが観光客を乗せるために待機しています。一艘のボートを雇うことになりますが、まずは料金交渉から。目安は大体1時間50ルピーから100ルピー(150円から300円)ほど。うるさく声をかけてくるボート漕ぎはなるべく無視して、自分から声をかけるのがコツ。そしてあまり値切り倒すと、いざボートに乗った後に途中でひきかえされたり、契約した時間よりも短く切り上げられたりするので、ほどほどのところで手を打つのがコツです。交渉が成立したところで、いざガンジス河ボートトリップへ!
沐浴する人々。朝日に向かって祈りを捧げます。あれ?体を洗っている人も!?
ガンジス河をボートで漕ぎ出すと、まず目に飛びこんでくるのはガートで沐浴する人々の姿。ヒンドゥー教徒は、ここで沐浴すれば全ての罪は洗い流されると信じています。何百年も前からまるで同じ光景がここガンジス河で繰り広げられているのでしょう。しかし、感動もつかの間、ふとその横を見ると、なんと歯を磨いたり、洗濯をする人も!ガンジス河は思いっきり生活に密着しているのですね。そうこうするうちに大きくて真っ赤な太陽が対岸から「ポコンッ」とあがってきます。日本の初日の出を見ているような感じです。美しい!
ガートの対岸から昇る朝日。青白んでいた空が朝焼けで真っ赤に染まります
ガンジス河ボートトリップで必ず見ておきたいのがマニカルニカー・ガート。このガートは、ヒンドゥー教徒の火葬場になっています。あからさまな死の光景に一瞬息を呑みますが、せっかくなので近くまで寄ってもらいましょう。「死」をこんなにも近くに感じることって普通はないですよね。私は「哲学的」な心持ちになれるこのガートが実は結構好きなのです。古くは三島由紀夫も魅了されたこのガート。ぜひ見てみてください。ガンジス河で繰り広げられる様々な光景を満喫できるボートトリップでインドの「カオス」を味わいましょう!
■ダシャーシュワメード・ガート
アクセス:ゴードウリヤー交差点から徒歩5分
ボート料金:貸切1時間50ルピーから100ルピー(150円から300円)要交渉
注意事項:マニカルニカー・ガートでは写真撮影禁止
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2007/09/19)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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