交通マヒ状態の大都市ジャカルタ

インドネシアの首都ジャカルタは、人口1000万人近い大都市です。周辺の地域を含む都市圏人口となると2200万人を超え、市域と都市圏の人口と面積はそれぞれ東京とその都市圏とほぼ同じ規模です。しかしジャカルタの交通渋滞は、東京と比べて半端なものではありません。というのも、公共交通機関があまり、いやほとんど発達していないからなのです。郊外から市の中心部へと人々を運ぶ鉄道路線はわずかにありますが貧弱で、都市圏にも地下鉄や高架鉄道といった類いのものがないのです。

地下鉄のない大都市ジャカルタで、渋滞緩和に導入された奇策とは? 地下鉄のない大都市ジャカルタで、渋滞緩和に導入された奇策とは?

大都市で移動がほぼ道路のみだと…

東京では人の移動の約半数は鉄道(地下鉄含む)利用ですが、ジャカルタではそれが全体のわずか1〜2%しか占めておりません。残りは徒歩でなければ、バスか自家用車の移動になります。たとえば東京に地下鉄がなく、その乗客がすべてバスかマイカー移動になったらと想像すれば、道路の混雑ぶりがわかるでしょう。大渋滞するのも当たり前と言えば当たり前です。渋滞のピーク時には、わずか4〜5kmほどの移動に1〜2時間かかることがあります。そうなると徒歩よりも遅いということになりますね。空港から市内に出るのもひと苦労。渋滞が続くことは経済的に見ても大きな損失ですし、排ガスによる空気汚染もかなりのものになります。

渋滞緩和に導入した「3 in 1」制とは?

そこでジャカルタ市当局はいろいろな案を講じてきました。そのうちのひとつが1992年から始まった「3 in 1スリー・イン・ワン」制です。これは、朝夕の通勤ラッシュの時間帯には、3人以上乗っている車しか市内の主要な通りに入れないという規制です。その結果どうなるかというと、「人数の足りない車に乗り込み、報酬を受け取る」という珍商売が生まれました(本来は違法行為のようですが、みな堂々としています)。

規制があれば必ず抜け道がある

この仕事は朝夕だけなので、主婦がバイト代わりにやるのにちょうどいいようです。しかも赤ちゃん連れだと2人にカウントされます。バイト代は1回200円ぐらいとのこと。この商売を、日本のテレビのクイズ番組で見たことがある人もいるのではないでしょうか。最近では、道に立っているこうしたバイトを利用するだけでなく、twitterを積極的に利用して相手を捜すということも行われているそうです。いろいろなアイデアを考え出すんですねえ。そんな訳で、ジャカルタ市当局のマイカー規制は、なかなか進んでいないのが現状です。