- 前原利行
- 東京出身、神奈川在住。90年代半ばにバックパッカーで世界放浪したことをきっかけに、旅行ライターの道に。ガイドブック、雑誌、ウエブサイトなどで取材やライティング、編集を担当。行った国は90ヵ国以上だが、最近は国の数が増えないことと体力の低下に悩んでいる。他にも映画や音楽の仕事もちょこちょこしている。
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海外でパスポートの盗難・紛失をしたら、帰国のためにはどんな手続きが必要か その2 実践編
※本記事は、2013年9月10日に書かれたものです。「海外でのパスポート再発行手順」については、必ず外務省サイトでの最新情報をご確認ください https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/passport/pass_5.html
さて、「新規パスポート」、あるいは「帰国のための渡航書」の発給に必要な書類は、前の「基礎編」で述べましたが、その中でほとんどの旅行者が持ってないものは、「日本国籍を証明する書類」です。原本が必要なのですが、海外旅行に「戸籍謄本や抄本」「運転免許証」などを持ち歩く人は少ないですよね。私の場合もそうでした。電話で領事館に聞くと、「ファクスやコピーではなく原本」と言われます。しかし日本の家族が戸籍のある所に住んでいればいいのですが、そうでない場合「戸籍謄本や抄本」を取ってもらうのは時間がかかります。
私の場合は、泊まっているホテル宛に日本からEMSで私の免許証を送ってもらいましたが、結局予定日に届きませんでした。そこがインドネシアだったので、困った私がジャカルタの日本領事館に電話すると、ならば「原本を帰国後必ず送付できるのであれば、戸籍が記載された住民票のファクスで良い」との返事。最初から、そう言ってくれれば3〜4日間を無駄にしなかったのにと思いました。多分、公式にはダメなのですが、帰国日が迫っている人にだけ教えているのでしょうね。住民票なら、住んでいる町で取れます。早速家族に電話してそれを取ってもらい、ホテルへファクスしてもらいました。後日、インターネットで調べると、同様の体験談が多く綴られていました。各国にある日本領事館のホームページを見ていると、「個別に相談」と書かれているところもあります。「建前」と使い分けているのでしょうね、だから帰国日が迫っている人は、それを強く訴えたほうがいいです。
海外旅行傷害保険に加入し、「携行品損害」を申し込んでいれば、新規発行するパスポートや帰国のための渡航書にかかる費用のほか、領事館までの交通費もカバーされます。私の場合は飛行機でも移動できたのですが、「パスポートがないので乗れない」ということを心配して、チェックのない鉄道で行くことにしました。ジャカルタのホテルの宿泊は、警察の紛失証明書のコピーがパスポート代わりになりました。日本領事館では、警察の紛失証明書のコピーを見せて事情を説明すると中に入れてくれます。また、パスポートにせよ渡航書にせよ、領事や副領事のサインが必要なので、あらかじめ電話でアポイントメントを取っておくとスムーズです。
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2013/09/10)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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