90年代まではまだ“秘境”だったボルネオ島

最近では行く人の話はあまり聞かなくなりましたが、1990年代まではカリマンタン(ボルネオ島のインドネシア領)の旅のハイライトといえば、東カリマンタン州のサマリンダからマハカム川を定期船で上り、奥地のダヤッ族の村を訪ねるというものでした。道路のない内陸部へ行くには水路を利用して行くしか方法がなく、情報が少ないこともあり、当時のボルネオ島はまだ“秘境”だったのです。

秘境を求めて、カリマンタンのマハカム川を上る旅(前編) 秘境を求めて、カリマンタンのマハカム川を上る旅(前編)

開発が進んだ90年代

とはいえ90年代も半ばになると「熱帯雨林の伐採」が社会的な問題になるほど、カリマンタン奥地の原生林はどんどん消滅し、冒険心に富んだ旅行者が訪れる前に、スーツを着た日本の商社マンが密林の奥深く分け入っていきました。私が念願のマハカム川流域の旅に出かけた2000年代初頭には、州都サマリンダから数日で行ける範囲には“秘境”らしさはほとんどなくなっていました。それでも私がサマリンダの宿に着くと、さっそくどこからか情報を聞きつけて、ガイドが現れました。

マハカム川上流への旅が始まる

翌日から2泊3日のボートによる上流への旅へのガイドを頼みました。奥地では英語どころかインドネシア語も通じなかったりするので(ローカルな言語のみ)、ガイドは不可欠です。それにボートチャーターの交渉(自分でしてもガイドが探すより安くはなりません)、食事(現地にはレストランがないので、ガイドが作ります)の心配もしないですみます。すべて込みで3万円ぐらいだったでしょうか。安くはないですが、まあひとりでボートをチャーターするので、贅沢と言えば贅沢です。翌朝、サマリンダの町を出てすぐにボートに乗るかと思うと、バスターミナルに連れて行かれたので拍子抜けしました。まずは90km(所要3時間)離れた、コタ・バグンという町までバスで行きます。道もできたし、そのほうが安いし早いのです。そこにある船着き場で4〜5人乗りのモーター付きボートをチャーターし、上流へと向かいました。(続く)