水上家屋の町ムアラ・ムンタイ

コタ・バグンを出たボートは、1時間半ほどで40kmほど離れたムアラ・ムンタイの町に着きます。途中の川幅はまだまた広く、多くの船が行き交っています。このムアラ・ムンタイは水上家屋からなる町で、家々を結ぶ道はすべて水上の橋。散策をしても歩くのはすべて水上というのは、何だか妙な気分です。ここで食料を調達し、支流に入ります。川の両脇にはマングローブの林が見え、ちょっとしたジャングルクルーズ気分になってきました。時おり、地元の人たちのボートとすれ違います。土の上の交通が当たり前だと思っていましたが、考えてみれば道路を建設するにはかなりの労力が必要です。それにこのような熱帯では、雨季になれば道路は浸水、未舗装であればドロドロになってしまうので、水上交通が発達したのでしょう。

秘境を求めて、カリマンタンのマハカム川を上る旅(中編) 秘境を求めて、カリマンタンのマハカム川を上る旅(中編)

乾季になると湖が小さくなる?

やがてボートは「水鳥の宝庫」とも呼ばれるジュンパン湖に出たのですが、地図では5km四方ぐらいの湖のはずですが、その時は大半が水草の浮き島で覆われており、所によってはボートが通り抜けるにも苦労するほどでした。私が行ったのは乾季だったため、湖がかなり縮小していたようです。そうなると浮き島もどんどん中央に集まり、次第には見た目にここが湖であることもわからなくなってしまうのです。ここを抜けると、ボートはまた狭い水路に入っていきました。目の前を色鮮やかなカワセミが飛び交い、川岸を1mほどもあるトカゲが泳いで行きます。

原住民の村タンジュン・イシュイ

ムアラ・ムンタイから1時間半ほどして、旅の折り返し地点となるタンジュン・イシュイ村に着きました。ここは原住民のブヌアッ人の村。一軒の素朴なロスメン(民宿)があり、そこに泊まります。ガイドが夕食を作ってくれる間に村を散歩しましたが、10分もあれば一周できるほどの広さでした。宿に戻り、涼しくなる前に水浴びをしました。宿泊客が使用する水はドラム缶に溜めたものですが、地元の人は目の前の川で水浴びをしていているようです。部屋はベッドと蚊屋、扇風機があるだけのシンプルなものでした。そして、ガイドが作ってくれた夕食は、川魚のフライ、大きな川エビのフライ、野菜炒めなどで、ボリューム満点。とくにエビは大きく、ふつうのレストランで食べたら数千円はしそうなもので、ミソもたっぷり。食べきれず残した分は、みんなガイドさんが食べてしまいました。まあ、彼にとってもガイド中は好きなものが食べられるということなのでしょうね。(続く)