さらに奥地のマンチョン村へ

一夜明けた2日目は、タンジュン・イシュイからボートでさらに2時間ほど奥にあるブヌアッ人の村、マンチョンへと日帰りトリップです。やはり乾季のため水路の水位が下がっていて、狭い水路は所によって通るのに苦労しましたが、水鳥だけでなくサルなども途中で見ることができました。着いたマンチョン村はタンジュン・イシュイに比べるとずっと素朴な感じですが、伝統衣装を着たような人はもはやいません。ただし村には木造の立派な伝統家屋の集会所があり、そこを見学しました。伝統的な狩りの道具などが飾ってあり、ツアー客が来るとここで伝統舞踊も行われようです。村を歩いているとバイクの姿が見えたので、どこから来たのか聞いてみると、私が泊まっているタンジュン・イシュイからで、「何だ、道があるんだ」と拍子抜けしてしまいました。確かにバイクでここまで来ても、雰囲気は出ませんけれど。昔は道はなかったそうですが、数年前に道ができたそうです。

秘境を求めて、カリマンタンのマハカム川を上る旅(後編) 秘境を求めて、カリマンタンのマハカム川を上る旅(後編)

数年後、ガイドに再会して変化を知る

さて、その数年後、私はまたサマリンダを訪れ、同じガイドさんに会いました。それでいろいろ話を聞くと、今はガイドの仕事で多いのは、「国立公園にオランウータンを見に行くツアー」で、マハカム川のツアーに行く人は少なくなってしまったと言うのです。今ではかなりの内陸まで道路ができ、車で行けるようになりました。そのためわざわざ時間をかけてボートで行っても現地で車が走っていたら、“秘境”を求めてやって来た旅行者には興ざめでしょう。その時もサマリンダから車で1時間ほど離れた、パムパンという村で毎週行われる伝統舞踊を見に行ったのですが、踊り手たちはショーが終わるとみな普段着に着替えて、バイクに乗って町のほうへ帰って行きました(笑) 

奥地の過疎化が進むカリマンタン

ガイドが言うには、カリマンタンの奥地にも“過疎化”が進んでいるというのです。交通の便が良くなると言うことは、私たちが奥地に行きやすくなるというだけでなく、奥地に住んでいる人にとっても町まで出やすくなるということ。電気のない村で暮らすより、半日あれば行ける町で暮らしたほうが仕事もあるし、便利です。そのため、村によっては無人になってしまったところもあるそうです。私たちは観光ではより秘境に行きたがるのですが、それと逆のことが起きているのは感慨深いものがありました。