究極の民族衣装「コテカ」

グローバル化の波からはるか遠くにある場所、ニューギニア島。東半分のパプアニューギニアは治安の問題もあって訪れるのが難しい国ですが、西半分のインドネシア領パプア州ならちょっとがんばれば旅行できます。目的地は内陸のワメナ。ここに行くには陸路はなく、ジャヤプラから“飛ぶしかない”というまさしく陸の孤島です。ワメナの周辺には裸族が住み、彼らの住んでいる村をトレッキングで訪れることができます。裸族の男性が身につけているのはペニスケースのみで、これはひょうたんから作られ「コテカ」と呼ばれています。部族によってコテカの形は異なります。

文明の中で出会うコテカ姿の男性

私がこれまでに訪れた場所で最もおもしろい町がワメナでした。トレッキングで村を訪れればコテカ姿の人がいるのは当然かもしれませんが、なにしろワメナは現代建築の建物が並び、自動車が走る普通の町なのです。インドネシア人も大勢住んでいるし、部族の人でも服を着て働いている人もたくさんいます。そんな町の中で、食堂で隣に座ってご飯を食べているのがコテカ姿のおじさんだったり、ベモという乗り合いミニバスの隣にコテカ姿のお兄さんが乗っていいたりというミスマッチぶりが、なんだか最高におもしろかったのです。

「コテカ」もやがて消えてなくなる?

数日間のトレッキングをしなくても、ミニバスで近郊の村を訪れることもできます。村ごとに市の立つ日が決まっているので、その日に訪れるとコテカ姿の男性に会えるチャンスも多くなります。コテカ姿の人は今ではほとんどお年寄り(に見える人)ばかりで、若者や子供たちは私たちと同じように服を着ています。こういった土地では平均寿命も私たちより短いでしょうから、コテカ姿の人は早晩消えていくに違いありません。グローバル化の波は小さくても確実にこんな陸の孤島にもやってきているのですね。

指のないおばあさん

ダニ族のおばあさんには、手の指が何本かない人が多く見られます。彼らの風習に、身内が亡くなったら女性は指を1本第二関節から先を切り落とすというものがあったそうです。親しい人が亡くなった悲しみを物理的な痛みで追いやるためといわれていますが、今では政府によって禁止され、体に泥を塗ることで喪に服するようになったとか。服装とともに風習もまた時代によって変えられていきます。世代が変わり裸族の人々の生活が私たちのものと変わらなくなる日はそう遠くないでしょう。訪れるチャンスは「今」かもしれません。