インドネシアの秘境、パプア

東南アジアでの国々の中でも、インドネシアを旅行する人は少ないのではないでしょうか。もちろんインドネシアにはビーチリゾートのバリ島がありますが、それはインドネシアでは例外的な場所。それ以外のところというと、ボロブドゥールといった遺跡、ジョグジャカルタの宮廷ぐらいでしょうか。いやいや、インドネシアは東南アジア随一の広大な面積を持つ国。いろいろな見どころがあるのです。なかでも私がおススメしたいのが、インドネシアの一番東の端にあるパプア州です。よくテレビの紀行番組で取り上げられるので、見たことがある人もいるのではないでしょうか。

石器時代の暮らしを続けていた民族が住む、インドネシアのパプア州 石器時代の暮らしを続けていた民族が住む、インドネシアのパプア州

アジアというよりオセアニアの一部

ニューギニア島の西半分を占めるこの州は、かつては「イリアン・ジャヤ州」と呼ばれていましたが、2002年に「パプア州」に改名。さらに今ではその西側が「西パフア州」として分離しています。このパプア州はインドネシアに属していますが、地理的にも人種的にもオーストラリアと同じオセアニアに近いでしょう。ここに私が最初に行ったのは今から20年前。そして10年ほど前にも再訪しました。何しろ首都ジャカルタからだと、飛行機に乗っても途中でいくつかの空港にストップしながら、7〜8時間もかかるというへんぴなところです。なかなか何度も行けませんが、強い印象を私に与えた場所なのです。

飛行機の発明が、未踏の地に住む人々を発見

ニューギニア島の内陸にあるニューギニア高地は、沿岸部とは切り離され、あまり交流がないまま現代を迎えました。沿岸部は植民地時代にヨーロッパ人たちに調査されましたが、湿地帯が多く、あまり資源もないということで注目を浴びる事もなかったのです。そのため内陸部の1500m以上の高地には人が住んでいないと思われていました。ところが飛行機が発明され、1938年に探検隊がニューギニア高地のバリエム盆地を飛行した際、耕作された畑や集落を発見したのです。水上飛行機だったのでこの飛行機は近くの湖に着水し、最初の接触がはかられました。しかしまもなく第二次世界大戦が始まり、調査は中断。戦争が終わり、初めて宣教師がこのバリエム盆地を訪れたのが1954年といいます。それまで世界と接触がなかったことが驚きで、当時「石器時代の人が住む」と言われたのも納得がいきます。

土器を持たない生活

本当に長い間、他の文明と交渉がなかったのかというと、多少はあったようですが、やはりほとんど隔絶されていたに近かったようです。驚いたことに、このバリエム盆地に住む人たちは、土器を持っていませんでした。つまりお湯を沸かしたり、食べ物を煮たりという文化とは無縁なのです。土器はひとつの文明の尺度になるもの。土器もない」という生活は、やはり驚きです。また、金属器も彼らは持っていませんでした。つまり人類の歴史区分でいえば、この地に住む人々はまだ「新石器時代」に生きていたのです。

ニューギニア高地への行き方

このパプア州のあるニューギニア高地の玄関口は、バリエム盆地にある町ワメナです。ここまでは飛行機で行く事ができます。ジャカルタから約7時間、バリ島のデンパサールからは約6時間のフライトで、パプア州の州都ジャヤプラ着。そこから小型飛行機に乗り換えて小一時間です。ワメナでガイドを雇ってトレッキングができますので、ぜひ行って下さい。日本からツアーが出る事もありますよ。