伝統とモダンが交差するジョグジャカルタ

インドネシアのジャワ島中部にある古都ジョグジャカルタ。ここは王宮を中心に伝統文化が発展してきた都市です。そうしたアートを推進する文化的土壌の上に、インドネシアを代表する大学や芸術大学が置かれ、インドネシア各地から若手アーティストたちが集まってきています。そのため、市内にはギャラリーやアーティストシッョプがとても多いのです。

単なる落書き? ジョグジャカルタのグラフィティアートとモダンアート事情 単なる落書き? ジョグジャカルタのグラフィティアートとモダンアート事情

アーティスト運営のギャラリーカフェ

王宮などの観光名所やバティックや銀細工の店に寄るというのが、ふつうのジョグジャカルタ観光ですが、もしあなたが現代アートに興味がある人なら、市内にあるギャラリーカフェでくつろいでみるというのもおすすめです。数年前、世界のアートシーンがこのジョグジャカルタに注目し、新進気鋭の現地アーティストたちの作品を買い付けにやってきました。ジョグジャはちょっとしたアートバブルになり、入ったお金で在住のアーティストたちが自分のギャラリー兼カフェを次々にオープン。展示スペースがあったり、店の壁を定期的に新人アーティストたちに開放したりしているのがその特色です。

一点もののアートが身近な値段で買える

また、市内の各ギャラリーでは、若手アーティストたちの作品を販売しています。日本で一点ものの作品を買ったことがないと言う人でも、ここでは安いものなら数千円からあります。私はこの夏、ふらりと入ったバティックギャラリーで、観賞用のアートバティックを2点買いました。最初、アーティストが勧めてきたのは、水牛とか田園風景とか、お土産物屋で良くありそうな絵柄のもの。私が「あそこにかかっている抽象絵画のようなものが好きだ」と言うと、彼は「本当はああいうの作りたいんだけど、売れないんだよね」と、その作品を認めてもらったのがとてもうれしそうでした。

ただのいたずら書きではありません

さて、このジョグジャカルタの町を歩いていると、他の町に比べて建物の壁などに描かれた落書きが多いことに気づきました。そしてそれが単にスプレーで殴り書きをしたというものではなく、個性的でとても完成度が高いものばかり。気になって、あるギャラリーカフェで聞いてみたところ、ジョグジャカルタは許可制でこうしたグラフィティアート(落書きアート)が認められているというのです。「市の公認で落書き」ということですね。もちろん、すべてが「公認」というわけではなく、明らかにスプレーの殴り書きもあるのですが、やはり時間と手間をかけて描いたグラフィティアートは、見ていてすぐにその差がわかります。「インドネシアで現代アート」というのも、旅のテーマとして面白いかもしれませんね。