ジャワ島東部にある聖なる山

インドネシア第2の都市スラバヤから車で南東へ4時間。昔から聖なる山として、地元の人にあがめられているブロモ山があります。このあたりに住む土着のテングル人は、ジャワのほとんどがイスラム化した後も、ヒンドゥー教を守り通したといいます。そして山麓に建つヒンドゥー寺院では、今も毎年カソドというヒンドゥーの儀式が行われているという場所です。このブロモ山は、日本の阿蘇山のように、周囲を外輪山に囲まれたクレーターの中にある火口ですが、今も活動を続ける活火山。標高は2392mですが、このクレーター自体がすでに標高が高いところにあるので、それほど高くは感じません。半径2kmほどのクレーターの中は、現地で“砂の海”と呼ばれる火山灰でできた草木が生えない砂漠になっています。

ジャワ島の聖なる山ブロモでご来光を見る その1 初ブロモは20年前 ジャワ島の聖なる山ブロモでご来光を見る その1 初ブロモは20年前

初ブロモ山は今から20年前

このブロモ山に初めて行ったのは、今から20年前の1994年のことでした。ジャワ島を横断してバリに向かう旅をしていた私ですが、当時、このブロモ山についての知識は何もありませんでした。ただジャワでは当時からかなり有名な観光地で、現地で雇ったドライバーの勧めもあって行くことにしたのです。ところがドライバーが道を間違え、観光の拠点となる外輪山の頂上にある村チェモロ・ラワンに着いたのが夜中になってしまいました。宿に泊まってご来光を見る予定でしたが、そのまま車内で仮眠ということになりました。

真っ暗な中、馬に乗って火口へ

熱帯とはいえ、標高2300mあまりの山の上は夜にはかなり冷えます。持っているものをすべて着ても、車内は寒くて眠るどころではありません。仕方なく、終夜営業の茶屋に行って熱いお茶を飲んで時間を待ちました。3時頃になり、ドライバーが私を呼びにきました。馬を手配したので、それに乗って行けというのです。外に出るとテングル人の馬引きたちが大勢客待ちをしています。そのうちの一頭に乗り、馬引きに引かれて村からクレーターに降りて行きました。夜なので、火口までの距離やクレーターがどうなっているのがわかりません。しかもその日は月のない夜でした。それでもクレーターいっぱいに、白い霧がかかっているのはわかりました。(その2に続く)