世界遺産、韓国の河回村(ハフェマウル)とは…

韓国の世界遺産、河回村には、まずソウルから安東まで、列車かバスで4時間ほど行きます。そして安東のバスターミナルの前から46番のバスに乗り、河回村までは45分ほど田園地帯の中を走ります。ソウルや釜山など、都会の観光が主流の韓国で、田舎道はいいものです。遠くに小高い山が連なっています。行き交う人も車もほとんどありません。河回村に到着します。土塀で囲まれた瓦屋根や藁ぶきの家々が、田んぼの中に寄り添うように集まっています。ここでも人影はほとんど見ません。まるで映画のセットの中に放り込まれたような、タイムスリップしたかのような錯覚すら覚えます。時が止まってしまったかのように、静かです。127戸の家があり、すべて同族で16世紀の豊山柳氏が祖先に当たるそうです。日本でも人気の俳優で歌手のリュ・シオンがこの村の出身だそうです。

河回村〜春はすぐそこ 河回村〜春はすぐそこ

泊まった伝統家屋は暖かだった

河回村を訪れたのは3月下旬、さすがに凍てつくほどの寒さはありませんでしたが、田や山に緑は少なく、新芽が出るまでもう少しかかりそうでした。うすら寒い風が吹き抜ける中、村の中で宿探しです。その家は三方が建物に囲まれ、広い中庭のある家でした。二食付で民宿をやっているとのこと。身振り手振りでわかります。子供たちは都会に働きに行き、年配のご夫婦が宿を営んでおられました。さっそくご主人が、家の軒下にあるかまどに火をくべてくれます。昔ながらのオンドルですね。大きな釜で出来た湯は、料理やお風呂に使うそうです。中庭には農機具や、各種のキムチが入っているだろう大きな陶製の壺が置かれています。部屋に入るドアは1メートルほどの高さしかなく、しゃがんで入らなければなりません。部屋に入ってしばらくすると、床からぬっくぬくとした暖気が上がり、部屋中が暖かくなりました。

夕食には伝統的な韓定食をいただく

その日の夜は、部屋で伝統的な韓定食をいただきます。すべて奥さんの手作りです。ご飯が金属製のお椀に入っているほか、おかずは陶器の小鉢に盛られています。この夜のメニューは、白菜のキムチ、青菜のキムチ、ほうれん草の胡麻和え、イカキムチ、モヤシのナムル、ジャコの佃煮、チゲスープ、生カキ、サバの塩焼きでした。オンドルの利いた部屋はお尻が温かく、この国らしいおかずの多い韓定食にしみじみします。宮廷料理の流れを汲んでいるのでしょうね。ご飯がどんどん進みます。夕食をすまして外に出ると、家々の明かりが少ないせいでしょう。満天の星が輝いています。村はシーンとテレビの音も聞こえません。土塀が各戸の音を遮断しているようでした。吐く息は白く、しばし妻と二人、門の外で星を眺めていました。ブルッと震えて、部屋に戻ります。するとまたぬっくぬくの床にしみじみとし、早めに床に就いたのでした。