汁にごはんをぶち込んで食べるのが韓国流

韓国料理には、たくさんの汁ものがあります。料理の名前に「クッ」とか「タン」とつくものがそうです。干したタラで作った「プゴックッ」とか牛骨スープの「ソルロンタン」などです。韓国では汁を注文しても、ごはん、キムチ、ナムルに加え、じゃがいもの甘辛醤油煮込みなどの小さなおかずがついてくる定食スタイルになります。それは旅行者には、うれしいのですが、私はいつも韓国人の食べ方が気になってしまいます。汁の定食がテーブルに出てくるやいなや、韓国人はバシャッと勢いよく、汁の中にごはんをぶち込みます。

汁にごはんを入れて食べるのが韓国流正しい食べ方 汁にごはんを入れて食べるのが韓国流正しい食べ方

韓国には汁かけ飯が存在しない訳とは?

私はできる限り汁は汁だけで味わうのが好きです。牛骨スープに干しダラを加えた汁に、溶き卵をいれ、ふわっとやさしい味に仕上げたものがプゴックッです。プゴックッも汁だけをじっくり味わいたい。十分堪能した頃に、汁にご飯を入れるのはオッケーですが、韓国人のように、最初からご飯を汁にぶちまけるのには抵抗ありです。ちなみに韓国には汁かけ飯は存在しません。汁はごはんにかけるものではなく、汁にごはんを入れるのが習慣だからです。

とにかく韓国人の汁飯好きにはびっくり!

「ソルロンタン」は栄養たっぷりの韓国の朝ごはんです。牛骨や内臓を煮込んだソルロンタンの白濁した汁は、あっさりしているのに深い味です。粗塩で味を調え、カクトゥギと言う大根キムチを入れて食べると、味がひきしまります。このソルロンタンだって、韓国人はテーブルにでてくると、早速、ごはんをぶち込みます。また、「クッパブ」と呼ばれる汁ごはんもあります。韓国で一番おいしい都市と言われる全州(チョンジュ)名物の「コンナムルクッパブ」がそうです。これは辛いもやしスープにごはんを入れたもので、二日酔いの酔い覚ましのスープとして有名です。それにしても韓国人って、本当に汁飯好きです。

韓国人の汁飯を好きには、ちゃんと訳があります!

「韓国料理文化史」には韓国の汁飯文化について詳しく書かれています。「韓国が貧しかった頃、大家族で少量の肉を食べるには汁飯が一番適していた。絶えず戦火にもさらされていたので、逃げながら食べるには汁飯で流しこむしかなかった」がその理由です。もうひとつ付け加えたい理由があります。韓国人って、ものすごくせっかちなのです。例えば信号。青になるやいなや点滅を始めます。銭湯の営業は午後8時までなのに、午後7時半に行くと、もう浴槽の掃除をしています。すべてにおいて急いでいます。汁飯って、かきこめるので、早いこと食べられます。汁飯はせっかちな韓国人の性格にぴったりな料理だと思うのです。