page top

出発エリアをに変更しました。

海外旅行の検索・比較サイト|エイビーロード
AB-ROAD
たびナレ 旅に行きたくなる!海外旅行に役立つナレッジ満載
RSS

役立つ海外旅行ナレッジ

【2020年情報】映画『タクシー運転手』の舞台となった光州。「5.18自由公園」へ行こう


光州事件をご存じですか?まずは映画をどうぞ!

のどかな市民公園。その一画がすごい! のどかな市民公園。その一画がすごい!

映画を見ると、舞台となった場所に行ってみたくなりませんか。私は2017年公開の韓国映画『タクシー運転手 約束は海を超えて』を見て興味が湧き、さっそく全羅南道の中心都市、光州(こうしゅう・クァンジュ)に行ってみました。光州は、韓国現代史上もっとも激烈な民衆蜂起「光州事件」の現場。韓国の民主化への分岐点となった大事件でありながら、自国民にすら長らく全貌が明らかにされてきませんでした。ここ光州には事件の記憶をとどめる施設がいくつもあります。そのひとつ、「5.18自由公園」を歩いてみましょう。最寄駅は、地下鉄「金大中コンベンションセンター」です。

軍事政権下で起きた民衆蜂起

おそらく興奮で痛みを感じていない様子。流血のデモ。 おそらく興奮で痛みを感じていない様子。流血のデモ。

1980年5月18日に起こった、全斗煥のクーデターに抗議する光州の大学生と軍隊との衝突は、たちまち光州市民全体を巻き込む蜂起となって広がっていきました。警察、軍部隊、機動隊による市民への暴力や逮捕・拘留。拷問、不当な軍事裁判。死者と負傷者は合わせて3000人を超えたといわれ、国際的にも大きな注目を集めた民主化運動でした。光州事件を語り継ぐことは、光州市民の責務でありプライドでしょう。5.18自由公園は、そのために作られました。「尚武台(サンムデ)」という場所にあった軍事法廷や営倉をこの公園の敷地に移設し、展示館としてオープンしているのです。

涙のこみ上げる写真展示と、笑いがこみ上げてしまう人形展示?

エモーショナルな展示に仰天 エモーショナルな展示に仰天

展示は大きく二つに分かれています。ひとつはこの旧「尚武台」の建物群。もうひとつは「自由館」という資料館です。まずは公園内に点在する旧「尚武台」へ。血まみれの闘争を写真に収めた展示には、胸が苦しくなってきます。写真、動画、そしてマネキン人形による拷問の再現などがあります。写真の深刻さに比べて、人形の展示は……、なんともいえない感じなのですよね。リアルに作っているのがかえって笑ってしまうというか、不思議なノリなんです。しかも、ところどころに解説員が完全なコスプレで人形に紛れ込んでおり、突然動くとビックリ!警棒をバンバン鳴らして脅かしてきたりするんですよ。怖い!!でもちょっと笑っちゃいます。

自由館の見学も忘れずに!

「キミたちも、民主主義を守ろう!キミもだぞ!」的な…… 「キミたちも、民主主義を守ろう!キミもだぞ!」的な……

小中学生もたくさん見学に来ていましたが、解説員のおじさんは、彼らに「民主化要求!」とシュプレヒコールしていました。深刻な顔をしたらいいのか、笑ったらいいのかつかみづらいアツい展示ですが、ともかくばっちり思い出には残ります。一方、自由館の方は、写真や韓国の版画家ホン・ソンダム氏による光州事件を描いた作品、当時の資料などの真面目な展示になっていますよ。両方じっくり回るのがおすすめです。

名優ソン・ガンホの主演により、ますます印象深い見学に

胸の詰まる写真展示の中で、唯一心温まるコーナーでした 胸の詰まる写真展示の中で、唯一心温まるコーナーでした

私は旧尚武台の凄まじい写真展示が最も胸にこたえました。暴力への激しい憎しみが、とめどなく湧き上がってきます。しかし、不鮮明な白黒写真にここまで感情移入できたのは、『タクシー運転手』を見たからでしょう。やはり映画の力は大きいのです。本作品の展示コーナーもあり、ご当地なので当たり前ですが、大きな取り上げられ方にはうれしくなりました。

入場無料、市民が憩うのんびりした公園でもあります

シャッターの1秒後の、骨の砕ける音が聞こえる シャッターの1秒後の、骨の砕ける音が聞こえる

日本と縁の深い隣国の史実に対して無関心であることは、自国や自分自身に対してもそうではないか?自分が暴力を受ける側に、いつ立たされるか分からない。また、自分が暴力を振るう側に、知らずのうちに立っているのかもしれない。5.18自由公園は、そんなことを考えるきっかけに、きっとなりますよ。

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2020/02/13)

※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
 提供情報の真実性、合法性、安全性などについては、ご自身の責任において事前に確認して利用してください。
エイビーマガジンについて

 

キーワードで記事検索

検索