ソウルではサラリーマンが昼から鍋料理を食べている

ソウルのオフィス街には、ガイドブックには紹介されていない安くておいしい食堂が山ほどあります。ガイドブックには載ってなくても、お昼になると、サラリーマンやOLがぞろぞろとお店に入っていくので、「ここは絶対、おいしい店だ!」って、すぐわかります。そんなサラリーマンに人気の食堂に行くと、昼間っから鍋をつついているのです。ぐらぐら煮える鍋を囲んでいるサラリーマンを見ていると、「鍋は昼休みに食べる料理じゃないでしょ!鍋は夜に食べるものよ!」と言いたくなってしまうんです。

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チゲは韓国人にとっての味噌汁

サラリーマンやOLグループが食べているのはチゲです。チゲは韓国版味噌汁といった料理です。古くなり酸っぱくなったキムチをいれたキムチチゲ、にがりを入れる前のやわらかい豆腐で作ったスンドゥブチゲ、みそが入ったテンジャンチゲがそうです。韓国人って、家でもほとんど毎日チゲを食べています。日本の味噌汁と同じ感覚なので、食卓にないと何か足りない気がするそうです。家で毎日、食べているんだから、ランチでまで、チゲを食べなくてもいいんじゃない? でも、韓国人は食べたいんです。

面倒くさいのが苦手な韓国人のチゲの出し方

それで、おいしいチゲのお店というのは、ランチタイムにものすごく人気があります。韓国ではチゲを食べるとき、数人で行くと大鍋で出てくるのが普通です。スンドゥブチゲの場合、何人で行こうがひとりずつの小さな「トゥッペギ」で出てくるお店もあります。トゥッペギは、チゲに使われるそのまま火にかけられる焼き物の鍋のことです。キムチチゲやテンジャンチゲなら、数人で行くとほぼ間違いなく、鉄やアルミ製の大鍋でド〜ンと出てきます。テーブルにはもちろんカセットコンロが置かれています。お店のほうも、一人分ずつ出すよりも大鍋で出すほうが楽なのです。キムチやナムルなどのおかず類も、数人分をまとめて一皿で出すほうが面倒くさくありません。

おひとりさまはおいしいチゲにありつけるか?

この大鍋いっぱいのチゲを、数人でつつきます。韓国ではひとりで食事に行く人はかなり少数派です。ひとりで食事をしていると、「一緒に食べてくれる友達も恋人もいないかわいそうな人」になるからです。こんな考え方が根強い上に、ランチタイムとなると、数人で食べに行くのが当たり前です。だから一人旅の外国人は困るんです。人気チゲのお店はおひとり様はお断りのお店がほとんどです。11時半まで行く、午後1時半以降なら、入れてくれるところもありますが、基本的におひとり様はお断りです。一人旅でサラリーマンに人気の食堂で、おいしいチゲにありつくのは本当に難しいのです。