日本の夏にはうなぎ、韓国の夏には参鶏湯?

「はじめてのソウル、鍋料理編 その2」からの続きです。韓国の鍋料理で、参鶏湯(サムゲタン)の名を知らない人はいないでしょう。内臓を抜いた丸ごとの鶏にもち米やナツメ、栗、高麗人参などを詰めて煮込んだ、手間のかかる鍋料理です。滋養たっぷり、韓国では夏バテ防止に重宝される料理でもあります。友人を誘って、明洞の参鶏湯専門店へ行ってきました。

煮えたぎる参鶏湯は、なんと夏バテ防止メニューだそうです 煮えたぎる参鶏湯は、なんと夏バテ防止メニューだそうです

ボリューム満点、お腹を空かせていきましょう

明洞のほぼ真ん中にある「百済参鶏湯」は、日本のテレビにもしばしば登場する老舗の有名店です。一人前の鍋には、雛鳥まるまる1羽分が煮込まれて出てきます。しかも鶏のお腹にはぎっしりともち米が詰められているため、きっとかなりのボリューム……と、そこまでは予想はしていましたが、まさか参鶏湯を注文すると、あずき入りのおこわまでがサービスされるとは思いませんでした。

観光客にも入りやすい雰囲気 観光客にも入りやすい雰囲気

人参酒は飲みにくいですが、試してみましょう

こちらの参鶏湯のオーダーには、キムチ、カクテキ(大根のキムチ)、唐辛子和えのにんにく、そしておこわが付いてくるのでした。これらの付け合わせが、またおいしいこと。参鶏湯が来る前から、すでに幸せになっています。そこへ今度は、おちょこに入ったお酒も。これは高麗人参を漬け込んだ人参酒で、お店の自家製だそうです。そのまま飲むと、少し苦くて飲みにくい! でも元気になれそうな味です。ぐつぐつ煮えている参鶏湯に入れるとアルコールが飛ぶので、お酒が弱い人はこの方法がおすすめですよ。せっかくの栄養満点な人参酒、残したらもったいないですからね!

グイッといきますか? グイッといきますか?

滋味深い味に驚きます

熱々の参鶏湯がテーブルに運ばれると、すかさずプラスチックの小分け容器に入った高麗人参の薬味が、たっぷりと投入されます。たったこれだけのパフォーマンスのおかげで、高麗人参のありがたみがグッと増します。味付けはいたってシンプル。鶏とスタッフィングの栄養がすべてスープに溶け出し、すばらしく複雑な風味です。この繊細な風味を味わうために、味付けはほとんどされていないですね。

烏骨鶏湯も試してみると……

百済参鶏湯には、烏骨鶏の参鶏湯「オゴルゲタン」もあります。烏骨鶏は真っ黒な肉を持つ、栄養価の高い鶏。私と友人は、ふつうの参鶏湯と烏骨鶏湯を食べ比べてみました。お値段は参鶏湯が1万5000ウォン(約1500円)、烏骨鶏湯は2万1000ウォン(約2100円)。烏骨鶏は高級食材なので、お値段に差がありますね。しかし私たちが食べ比べてみての感想は……「烏骨鶏はさっぱりしすぎて胸肉みたい。ふつうの鶏の方が、脂のうまみがあっておいしい」。味の好みは人それぞれですから、ぜひ食べ比べてみてください。

予想外にさっぱりした肉だったオゴルゲタン 予想外にさっぱりした肉だったオゴルゲタン

奥深い韓国鍋料理の世界をのぞいてみました

タコ鍋のヨンポタン、プデチゲ、参鶏湯と鍋ものを食べ比べてみました。韓国の鍋は、和食の鍋とまったくちがう魅力を持っています。明洞でスナック屋台もいいですが、伝統の味に触れられるチャンス、老舗店にぜひ足を運んでみましょう!