グルメ、ショッピング、美容…。韓国はそれだけの旅先?

韓国は、地理的に日本から最も近い国の一つですよね。フライト時間が短く、グルメとショッピング、エンターテインメントを楽しめる海外旅行先として、特に女性からの不動の人気を誇っています。そんな手軽で楽しい旅先の韓国ですが、日本との関係は過去から現在に至るまで、微妙な一面があります。今回ご紹介するのは、そのような微妙な関係性を知る上でおすすめの、ソウルにある「西大門刑務所歴史館」です。地下鉄3号線「独立門」駅の5番出口を出ると、すぐに西大門独立公園があります。刑務所歴史館は、この公園の敷地内にあります。

よく晴れた日、のどかな風景の刑務所歴史館 よく晴れた日、のどかな風景の刑務所歴史館

過去を忘れないための歴史館です

公園には「独立門」「独立館」「殉国先烈追念塔」といった、韓国の独立運動時代の見どころがいろいろ。その中でも、とりわけ時間をかけたいのが刑務所歴史館です。1908年から1987年までの間、この建物は実際に刑務所として使用されていました。日本統治時代には日本の植民地化に抵抗する韓国人が、独立後は朴大統領の独裁政権下で活動した民主化運動家が収監されました。その後、1987年に刑務所がソウル郊外へ移転すると、建物を保存・修復し、現在のような歴史館として1998年にオープンしたのです。

日本語の説明はあまり多くありません 日本語の説明はあまり多くありません

刑務所の保安課庁舎が展示館になっています

この歴史館は、大きくふたつの目的を持ったテーマ展示に分かれています。ひとつめは、日本統治時代に日本からの独立を求める運動家たちが、どのような場所に投獄され、どんなことをされたのかを残す目的。もうひとつは、独裁政権に反対する運動家の歴史と功績を後世に伝えるという目的です。まずは「展示館」を見学し、この刑務所の変遷を史料とともに知っていきましょう。

保存されている獄舎。上方で威張っているのは日本軍人のマネキン 保存されている獄舎。上方で威張っているのは日本軍人のマネキン

韓国で最大規模だった刑務所

刑務所歴史室にある、1930年代の刑務所の模型は必見です。あまりにも収監者が増えたため、増築をくりかえしていった様がありありと分かります。1908年の開所当初から、なんと30倍の規模に拡大したそうです。“収監者が増える”ということは、つまりそれだけ日本の支配からの独立への機運が高まっていたという意味ですね。(後編に続く)

炊事場を復元した記念品ショップ。本物の建物は一部が発掘されています 炊事場を復元した記念品ショップ。本物の建物は一部が発掘されています