初ソウル旅に出る前から、ヘチに夢中でした……

「ソウルに行ったら、ヘチをたくさん見つけたい!」初めてのソウル行き、目標のひとつがこれでした。どうやらソウルにはヘチがいっぱいいるようです。それどころか、ヘチはソウル市のシンボルマークにも採用されているとか。これは期待できそう……って、「そもそもヘチっていったい何?」と思ったあなた。ヘチは古くから朝鮮半島で神獣として愛されてきた、空想上の動物なんですよ。ソウルはヘチのみならず、いろんな神獣の宝庫。動物モチーフが大好きな私にはパラダイスでしたよ。さあ、神獣を見つける旅に出ましょう!

堂々たるヘチは景福宮のアイドルです 堂々たるヘチは景福宮のアイドルです

中国から伝わり、獅子の形となった神獣「ヘチ」

神獣は「瑞獣」ともいわれ、「吉兆として現れる空想上の獣」の意味です。まずは韓国を代表する神獣界(?)のエース、「ヘチ」を探しましょう。ヘチ(ヘテとも呼ばれる)の起源は中国で、「カイチ」という発音でした。善悪を見極める力があると信じられています。中国では牛や羊に似ていましたが、伝説が朝鮮半島に渡ると、その姿は獅子に似た形に変化しました。ぎょろっとむき出した目、獅子鼻、口の両端から見える鋭い牙、そしてたくましい四肢を備えた大型ネコ科らしい体格。たしかに、獅子に似ています。

ヘチがいっぱいの「高宗即位40年称慶記念碑」 ヘチがいっぱいの「高宗即位40年称慶記念碑」

ヘチには獅子のたてがみがないので、余計にかわいさ倍増

獅子の姿とはいえ、本物のライオンよりむっちりと肉付きがよく、顔つきは獰猛さよりもユーモラスな親しみやすさを感じさせます。ソウルで一番有名なヘチ像は、やっぱり景福宮の光化門前に鎮座するヘチでしょう。予想していたよりも大きくて堂々たる姿に一目惚れ! 太い手足と寸胴のボディを見て、「抱っこしたらずっしり重そうだなあ」とまず最初に思ってしまいました。ヘチは水辺を好む性質があり、火除けの守り神として門前に置かれることが多いそうです。景福宮建設当時、景福宮のそばの山「冠岳山」が火の形をしていることから、景福宮が火災に見舞われることを危惧されました。火気から景福宮を守るためにヘチが置かれたといいます。

まるで滑り台のよう。徳寿宮のヘチ まるで滑り台のよう。徳寿宮のヘチ

宮殿でヘチを見つけると、うれしくなってきますよ

ヘチは、門前の他に、宮殿内の小さな階段でも見ることができます。階段の傾斜に合わせて、頭が階段の下、お尻が上になるように伏せのポーズをとっているんですよ。その姿は、どことなく爬虫類を連想させます(ヘチは体にうろこがあるのも特徴です)。造形美は“お座り”のポーズにかないませんが、これもまた味わい深い、ヘチの伏せポーズなのです。(その2に続く)

徳寿宮のヘチは頭数も大サービス! 徳寿宮のヘチは頭数も大サービス!