神獣はヘチだけではありません!

「『かわいい!』ソウルの伝統建築には動物モチーフの像がいっぱいです(その1)」からの続きです。ヘチを目当てにやってきたソウルの景福宮でしたが、ヘチの他にもさまざまな神獣が見つかりました。たとえば、景福宮の興礼門と勤政門の間に流れていた禁川の橋「永済橋」。ここの岸には、4頭の神獣がいます。多くの旅行記やネット記事には「ヘチ」だと書かれいますが、これはヘチによく似た「天鹿(てんろく)」もしくは「天禄」といわれる神獣だそうですよ。

「天鹿」のしなやかな肢体にはドッキリ 「天鹿」のしなやかな肢体にはドッキリ

ネコ科のような、鹿のような、不思議な生き物

天鹿は2本の角を持つ姿が一般的ですが、ここの天鹿には頭の真ん中に1本の大きな角があります。ヘチに角はないので、これで区別がつきますね。しかし、むっちりと太ったしなやかな肢体は、やっぱりヘチによく似ています。橋の岸辺に前足2本をかけ、身をわずかに乗り出すようにして川の水を見守っている姿は、どう見ても鹿ではなく獅子。ヘチと勘違いされても仕方ないでしょう。日本でも同じですが、橋を渡るという行為は、神聖な場へこれから入っていくという清めの意味を持ちます。その大事な水辺を守っているのが、このユーモラスな造形の天鹿なのです。

人間のような目をした午(うま) 人間のような目をした午(うま)

あなたの干支の石像も、きっとあるはず

景福宮の正殿「勤政殿」の周りはぐるりと神獣に取り囲まれています。欄干に乗っている四神(青龍、白虎、朱雀、玄武)と十二支の生き物の石像は、シンプルな作りながらなんとも味わい深く、動物好きには胸がキュンとなりますよ。景福宮ではグラフィカルな建築美を堪能できますが、その合間に、これらの妙味のある神獣の像に目をやると、気持ちが和みます。神獣を見つけながら歩けば、見学の楽しさも増すことでしょう。

卯(うさぎ)でしょうか…… 卯(うさぎ)でしょうか……

地下鉄鐘閣駅から徒歩10分の場所にある神獣パラダイス

神獣を見つけられるのは、宮殿だけには限りません。たとえば、「高宗即位40年称慶記念碑」へ行ってみませんか? 目立たない場所なのですが、神獣にぎっちりと取り囲まれている、それは愛らしい記念碑なのです。ソウルの地下鉄1号線鐘閣(チョンガッ)駅1番出口から世宗路交差点へ向かい、世宗路交差点を右折したところにあります。この碑は、李朝第26代の王、高宗の記念碑です。

ヘチ、ヘチ、そしてヘチ! ヘチでいっぱいです ヘチ、ヘチ、そしてヘチ! ヘチでいっぱいです

身を乗り出して神獣を見たくなりますよ!

碑そのものは、碑閣(碑を守る建物)があるため、よく見えません。しかし、門の前にはヘチが所狭しと並び、欄干には四神と十二支の生き物たちが! 飽きずにいつまでも写真を撮り続けてしまいました。石像の素朴そのものな造形といい、神獣の密度の高さといい、神獣パラダイスとしか言いようがありませんでした。神獣ウォッチのマストスポットしては景福宮以上ですよ! (その3に続く)

神獣たちの愛らしさにノックアウト! 神獣たちの愛らしさにノックアウト!