歩いてみて初めて感じられる、その町の良さ

ソウルはコンパクトな都市なので、徒歩で気軽に多彩な見どころを回れます。たとえば「南大門エリア」。有名な観光地であるとともに、地元の人々の生活の場でもあるこの界隈は、ちょっと歩いただけでも興味を惹かれる場所を次々に見つけられるんですよ。今回は、「2時間あればたっぷり回れる南大門エリア」をご紹介します! ショッピングだけ、グルメだけではない、小さなエリアのさまざまな表情をごらんください。

なんでもそろう、南大門市場 なんでもそろう、南大門市場

初めに、韓国の不死鳥「崇礼門(南大門)」へ

まずは“南大門”の名称発祥の場所、「崇礼門(スンネムン)」へ。韓国の国宝第1号です。この門の呼び名「南大門(ナムデムン)」は通称であり、正式の名前は崇礼門といいます。2008年に放火でほぼ全焼した木製の門は、復元工事を経て2013年に美しくよみがえりました。韓国国内で最も大きな門だそうです。私も、2008年の放火のニュース写真にはショックを受けました。あの無残な状態から立派に復活した姿を、ぜひ見たいと思っていました。余談ですが、復元完成後に手抜き工事の指摘が相次ぎ、韓国文化庁が謝罪したそうです。

崇礼門はビルの中で孤高の存在 崇礼門はビルの中で孤高の存在

韓国人の誇りを感じられるスポットですが……

実物を見てまず感じたのは「想像していたより小さい」。周囲をビルに取り囲まれているため、そう見えたのだと思います。しかし崇礼門は、無味乾燥なビル群の谷間にあっていよいよ真価を発揮しているようにも見えます。建造後600年を超える歴史は、幾多の戦争や放火ごときでは決して崩れないことを、身を以て証明しているようでした。では次に崇礼門のお膝元、門と同じく600年の歴史を誇るソウル最古の市場「南大門市場」へ行ってみましょう。

ダイナミックかつ情緒あふれる市場へ

宮殿や博物館などの“ソウル王道観光”をしなくても、市場だけは外せない! という人は多いでしょう。南大門市場には、ないものはないというくらいに、ありとあらゆる物が売られています。観光客ももちろんたくさんいますが、地元のおばさんたちが、完全なる普段着で食材や服などを物色している姿も目立ちます。そんな気取らない市場は、明洞などのツーリスティックな雰囲気とは一線を画していて楽しいものです。

裏路地の食堂街。ここは“タチウオ横丁” 裏路地の食堂街。ここは“タチウオ横丁”

買う気がなくてもついつい長居しそう……

南大門市場は、足を踏み入れるまでは迷路のように迷うのではないかと不安になるかもしれません。しかし基本的に同業者ごとで集まって営業しているので、混沌としているようで実は意外とわかりやすいのです。たとえばコスメ、衣料品、カメラ、高麗人参、ミリタリー関係といった具合です。私も市場の北側に集中しているカメラ街を少し歩いてみました。値札がついていないものが多くあり、これは値段交渉が大変そう。しかし掘り出し物が出る可能性は高そうです。市場をぶらぶら歩いていると、あっという間に時間が経ってしまいそう。そろそろここを離れ、旧ソウル駅舎へ向かいましょう(後編に続く)。

カメラ街には日本人のおじさんが惹きつけられていきます カメラ街には日本人のおじさんが惹きつけられていきます