パッと見ると美術館にはとうてい見えませんが……

「あっ、ちょっと写真を撮りたい!」ソウル中心部を東西に横切る人工河川、清渓川のスタート地点「清渓広場」をめざして歩いていた私は、周囲のビルとは雰囲気のちがう建築に目が吸い寄せられました。派手さはまるでなく、むしろ慎ましやかな、レンガ造りの外観。それなのに、なんともいえないレトロな魅力が感じられたのです。ごく小さく書かれた「ilmin museum of art」の看板を見て、ここが「イルミン美術館」という美術館だったことを知りました。

無機質な周囲のビルとはまるで違う趣 無機質な周囲のビルとはまるで違う趣

旧「東亜日報」本社ビルが華麗に変身

イルミン美術館は、1926年に建てられたビルで、66年間「東亜日報」の本社社屋として使われていました(東亜日報は韓国の有力新聞社です)。地下鉄「光化門」駅5番出口を出るとすぐにあります。2002年に増改築工事が完成して、美術館としてオープンしました。レンガ造りの東亜日報本社ビル部分は、ソウル市の有形文化財に指定されています。ビルの正面玄関には「東亜日報社」という5文字のプレートが今も掲げられています。

建築好きにはたまらないおもしろさがあるビルです

しかし、現在の美術館の入り口はここではありません。レンガのビルに張り付くようにして、ガラス張りの新築部分が隣接しており、こちらから入場するのです。20世紀初頭の西洋建築と、ガラスの現代建築のコントラストは、お互いのよさを引き立てあっているようでとても素敵です。ちなみに「イルミン」というのは東亜日報の故イルミン(一民)・キム・サンマン会長の名前からきています。展示室にはイルミン氏の美術コレクションも常設展示されています。期間展示は現代アートや映像作品、日本人のアートが展示される機会もあるようですよ!

建物の端っこに縦書きで「ilmin museum of art」と看板が 建物の端っこに縦書きで「ilmin museum of art」と看板が

ワッフルにアイス&ホイップクリームをたっぷりトッピングして!

この美術館のもう一つの売りは、1階にあるカフェ「imA(イマ)」。ちょっと不思議な店名は、「ilmin museum of art」の頭文字を合わせたものだそうです。メニューのうち、不動の人気を誇るのは、なんといってもワッフル。このカフェは、ソウルリピーターの日本人女性なら、誰でもご存知ですよね! 美術館でアートに触れ、カフェでくつろいだら、清渓川や光化門広場を散策……そんなプランが自然と頭に浮かんできます。それもこれも、偶然通りかかって目が吸い寄せられたレトロ建築の魅力がきっかけ。すてきな建築は、旅のイマジネーションを広げてくれますよ!

清渓広場に面しています 清渓広場に面しています