ラオスのお寺で結婚式を挙げちゃおっ!

僕たちは、なんとなくラオスの寺で結婚式を挙げようねと話していました。二人とも、もういい年(40過ぎ)になっていたし、大袈裟にやるつもりはないし、二人だけでひっそりと誓いのようなことをやりたかったからです。ラオスはイメージからしてもヒッソリしています。観光大国タイと世界最大の仏教遺跡アンコールを擁するカンボジアにはさまれて、海のない内陸国で、東南アジアの旅先としては、最後になってしまいがちな国です。ただし、通の旅行者たちには高く評価されています。「ラオスには何にもないけど、だからこそ、それがいいのです!」と通たちは言います。

結婚衣装も現地調達、いざお寺へと

僕たちは、ラオスのビエンチャンに到着して、まずは人の良さそうなタクシー運転手を探すことにしました。お寺で結婚式を挙げるといっても、お寺は山ほどもあるのです。中年の二人の子持ちだという運転手に出合いました。「そういうことならわかった。いいお寺を紹介するから!」。僕たちはその日、結婚式用に民族衣装を購入します。翌日、運転手は約束の時間どおりに来てくれました。お寺は大きな敷地の中にありました。壁は金と赤色で塗られ、屋根はえんじ色の瓦というタイと同じ様式の建物です。運転手の案内で薄暗い寺院内に入りました。奥にオレンジ色の袈裟を着た若いお坊様が一人いました。先客は、何か頼みごとをしているようです。僕たちの順番が来ました。

若きお坊様は微笑みながら……

僕たちはいざりながら、お坊様の前に進み出ました。運転手が片言の通訳です。アルミの大きな皿にお布施を載せます。お坊様はにっこり微笑み、ジャスミンのレイを僕たちの首にかけてくれます。「あなたは奥様を愛しますか?」、「ハイ、愛します」。「あなたはご主人を愛しますか?」、「ハイ、愛します」。「一生、一緒に添い遂げますか?」、「そのつもりです」。僕たちは顔を見合わせ返事しました。片言の通訳なので、言葉はとても簡素ですが、いい感じです。暗い部屋は静けさに満ちていました。日の当たる外が、やけに明るく見えます。これで式は終わりです。僕たちは両手を合わせて挨拶すると外に出ました。

ラオスの若いお坊様は、物静かで笑みを絶やさない ラオスの若いお坊様は、物静かで笑みを絶やさない

おかしな商売のはずなのに、なぜか気持ちはハッピーに

外では、スズメの入った鳥かごをいくつも手に持ったおばちゃんが待っていました。運転手が通訳します。「スズメを自由な空に返してやりなさい。きっといいことがありますよ」。でも「スズメを捕まえたのは、あなたじゃないですか」とおばちゃんに突っ込みを入れたくなります。スズメを捕まえ、買った人に離させるなんて…、永遠に続けられそうな商売です。それはともかく、僕は一籠購入し、妻と二人で、籠の扉を開けてやりました。二羽のスズメが勢いよく青い空に飛んでいきます。僕たちは、なんだかとてもハッピーな気分になりました。こんなラオスの寺での結婚式はいかがでしょうか?

永遠に続けられそうな、離すためのスズメを売るおばちゃん 永遠に続けられそうな、離すためのスズメを売るおばちゃん