世界遺産好きには天国みたいなマカオ

徒歩圏内に世界遺産を含む見どころが密集しているマカオは、時間のない旅行者にとって効率よく観光のできる便利な旅先といえます。とくに“世界遺産ハンター(世界遺産に訪れることが目的の旅行者)”には、「次はここ! その次はここ!」と、チェックポイントを通過するオリエンテーリングのような感覚で、町歩きができるでしょう。しかし、いくら次々に世界遺産が現れるといっても、先を急ぎすぎると、本当におもしろいものを見逃してしまうこともあります。私の場合、「聖ドミニコ教会」でそれを実感しました。

美術館は、このカジュアルさがたまりませんでした 美術館は、このカジュアルさがたまりませんでした

聖ドミニコ教会はどこを見てもうっとり!

マカオ半島、世界遺産めぐりの起点となるセナド広場から徒歩1分の聖ドミニコ(ドミンゴとも呼ぶ)教会は、1587年にメキシコのドミニコ会修道士によって建てられた教会です。パステル調のクリームイエローのファサード(建物の正面)が特徴です。外観も十分にすてきですが、堂内に入って天井を見上げると、頭上に大きな美しいエンブレムが見えます。これは、聖母アヴェ・マリアのイニシャル「A・M」をモチーフにしたデザインなんですよ。そして、ファサードと同じく、クリームイエローの壁に、まるでレースを掛けたように美しい、白い化粧漆喰の装飾が施されています。

うっとりしすぎると、見逃しがちなことも……

私はここに3回行きましたが、初回はファサードの写真を撮るだけで満足。2回目は堂内に入ってひととおり聖母子像などを見ましたがそれで満足。実はこの教会に、無料の美術館が併設されていると知ったのは、やっと3回目に訪れた時でした。自分の粗忽さに呆れますが、同行の家族が教えてくれなければ、またも見逃してしまうところでした。鐘楼にあたる部分へ上がっていくと、なんと約300点もの宗教美術品が展示されていたのです。

美しくておもしろい美術館です

この無料美術館は大当たりでした。宗教画、彫像、十字架や王冠といった金属製品などが並んでいます。中でも、私は横たわるキリストの全身像や、箱の中に、無造作にも分解されて(!)ごろごろと入れられている聖者の像などに興味を惹かれました。窓には釣鐘がかけられ(鐘楼なので)、その鐘越しに見下ろすマカオの街並みも風情がありました。暑い日だったので、涼しくて静かな時間をゆっくりと過ごせました。

人混みを避けるのも上手な見学のコツ!

これほど立派な展示品を持つ美術館の存在に、どうして今まで気がつかなかったのかと自分で不思議でした。世界遺産をひとつでも多く回りたいという変な欲があったのかもしれませんね。聖ドミニコ教会は、その愛らしい外観で人気なことと、王道観光ルートの途上にあるため、多くの観光客が訪れます。そのため、堂内は意外と人だらけで落ち着かない時間帯が多いのです。行くなら朝早くが狙い目。そして、美術館は(私のように)気づかない人が多いのか、空いていますよ! 無料ですから、気軽に鐘楼に上ってみてください。