誰もが魅了される聖ポール天主堂跡。その周辺にも是非!

世界遺産に登録されているマカオの聖ポール天主堂跡は、マカオのシンボルとも言えるものであり、観光のハイライトでもあります。初めてマカオを訪れる旅行者は、誰しもがここをめざすと言っても過言ではないでしょう。かくいう私も、聖ポール天主堂跡が大好き。日中と夜の1日2回も見に行ったりするほどなんです。けれども、かの有名なファサード(建物の正面)だけを見て満足してしまうのは、あまりにももったいないことです。たっぷり時間をとって、ファサード周辺も歩いてみませんか?

何度見ても素晴らしい、聖ポール天主堂跡 何度見ても素晴らしい、聖ポール天主堂跡

「ナーチャ信仰」はマカオ特別行政区政府が無形文化財に認定

まずは、聖ポール天主堂跡に向かって左手にある「ナーチャ廟」へ。ここも世界遺産に登録されていますが、とても小さな建物です。ここに祀られている「ナーチャ」は道教の神で、いたずらで暴れん坊な少年の姿をしているといわれています。『西遊記』にも登場し、中国では古くから人気の高い神様です。ナーチャは子供の守り神であり、疫病退治にもご利益があるとされています。このナーチャ廟は、1888年に住民たちの手によって建立されました。

ナーチャ廟はとても小さくてかわいらしい ナーチャ廟はとても小さくてかわいらしい

ナーチャは引っ張りだこの人気者!?

この廟のすぐ近くに、「柿山ナーチャ廟」という、もうひとつのナーチャ廟があります。場所は聖ポール天主堂跡に向かって右側、モンテの丘を下る途中の坂道にあります。実はこちらがオリジナルのナーチャ廟なんですよ。この地帯に疫病が流行したとき、(世界遺産の方の)ナーチャ廟付近の住民が、柿山の人々にナーチャ廟を移転するようお願いしました。しかし柿山の人々に断られたため、柿山ナーチャ廟の造りを真似て、聖ポール天主堂跡のすぐ脇に新しく建てたのです。

「ナーチャ太子」と書かれた札 「ナーチャ太子」と書かれた札

とても小さなナーチャ廟、そしてただの「壁」……?

オリジナルではなく、新しくて小さい方の廟が世界遺産に登録されているのも、なんだかおもしろい話ですよね。隣に建つ聖ポール天主堂跡との取り合わせが、いかにも東西文化の入り混じったマカオらしさを見せてくれるからでしょう。そしてもう一点、さらなる東西文化の交流を感じさせる世界遺産が、ナーチャ廟のすぐ横にあります。これはマカオに30箇所ある世界遺産の中でも、トップクラスの“見落としがちな世界遺産”でしょう。なぜなら、それはほんの小さな、ただの「壁」だからです。(後編に続く)

日本語の説明が助かります 日本語の説明が助かります