アジアの外れに残る、ヨーロッパの置き土産「アズレージョ」

1999年までポルトガル領だったマカオでは、至るところにポルトガル統治時代の面影を見ることができます。ポルトガルの装飾タイル「アズレージョ」もそのひとつです。青を基調とした装飾タイルは、高温多湿なマカオの気候を一瞬忘れさせてくれます。ホテルやレストランの飾り付けとしても、しばしば用いられています。けれども、それらのアズレージョは最近新しく作られたものがほとんど。ポルトガル統治時代に作られた歴史あるアズレージョが、たくさん、そして美しく保存されているのが、「民政総署」です。

美しさにうっとり、民政総署のアズレージョ 美しさにうっとり、民政総署のアズレージョ

有名な「セナド広場」の名前の由来は、ここにありました!

民政総署の建物は、歴史地区観光の拠点となるセナド広場に面しています。民政総署がポルトガル語で「Leal Senado(“忠順な議会”の意)」と呼ばれていたことから、その前の広場をセナド広場と呼ぶようになったのです。民政総署が最初にここに建てられたのは、1584年です。その後の1784年に、現在のようなポルトガルスタイルの建築に建て直し、それ以降も改築を重ねて現在の姿となりました。

やぶに隠れていますが、中庭には詩人カモンエスの胸像も やぶに隠れていますが、中庭には詩人カモンエスの胸像も

16世紀以来、マカオの政治の中心地であり続ける民政総署

観光客にとって、ここは“美しいアズレージョが見られる建物”という認識が一般的ですが、マカオ市民にとっては、ここはポルトガル統治時代以来、一貫してマカオ市政の場所なのです。入り口から中庭を彩るアズレージョは、見事の一言です。立ち止まってじっくり眺めていると、ひとつひとつの図柄も微妙に色の濃さや影のつき方が異なっていることがわかってきて、手作りの工芸品の貴重さを思わずにはいられません。

海風が吹いてくるような気分になる、さわやかなブルー 海風が吹いてくるような気分になる、さわやかなブルー

この西洋建築のよさは、屋内をまわると実感します

アズレージョに目を奪われるだけでなく、建物全体の雰囲気も隅々まで堪能しましょう。ここはマカオに残る西洋建築の中でも、最もポルトガルらしさが色濃く残る建築といわれています。たしかに、ここには中国的な要素はあまり見当たりません。中庭への階段を登って振り返ると、聖母マリアらしいレリーフが。優美な曲線を描く外灯や、ユーモラスなガーゴイルなど、本当にここが東アジアの小さな町なのか、信じられなくなってきます。けれども、屋外で写真を撮って満足してしまってはあまりにももったいない! ぜひ、建物の中も見学してください。(後編に続く)

こんなステキな場所も、見学できますよ こんなステキな場所も、見学できますよ