アズレージョを見ただけでは帰らないでー!

「マカオの世界遺産「民政総署」の見どころは“綺麗なアズレージョ”だけではないのです(前編)」からの続きです。民政総署の魅力の半分は、なんといってもアズレージョ。アズレージョを屋外で満喫したら、屋内にも入ってみてください。ロビーを入って右手にある部屋は、無料のギャラリーです(月曜休館)。展示会や演奏会が行われています。訪問時にどんなイベントが開催されているかは、行ってみてのお楽しみですよ。そして階段を登り、1階(日本でいう2階)には図書館があります(13:00〜19:00。日曜・祝日休館)。

民政総署内の議事室 民政総署内の議事室

ヨーロッパのお城にでも迷い込んだような感覚に……

一歩入っただけで、マカオの一大観光地の喧騒から切り離された空気を感じます。落とされた照明、古い書物が発する匂い、いつまでも身を置いていたくなるような重々しい室内空間。この図書館は、本国ポルトガルのコインブラにあるマフラ宮殿内図書館を模して作られているそうです。勝手に触れてはいけないのですが、もしも手に取ったら、ボロッと崩れてしまいそうな古書がずらり。蔵書は2万冊を超え、17世紀〜20世紀の書物が中心です。ポルトガルの東方進出に関する資料が多く残されており、今では大変貴重なものだそうです。

図書館は圧倒される空間です 図書館は圧倒される空間です

厳粛な議事室には、身が引き締まります

同じく1階に、議事室もあります。こちらも必見の部屋です。シャンデリアや赤いカーテン、聖母マリアの祭壇がある小部屋など、重厚ながら華麗な雰囲気に、時間の経つのを忘れそうになります。20人以上が座れるテーブルにはマイクが設置され、隅にはごく小さなミキシングルームも。ポルトガル統治時代にタイムスリップしたような気分は束の間、ここが歴史の遺物ではなく、こんにちも現役で使われている、“生きた”建築であることを思い出させます。現に、この部屋の奥の部屋ではまさに会議中でした。美しい議事室に興奮して、私と友人が少し大きな声でしゃべっていると、警備員から「会議中なのでお静かに」と注意されてしまいました。

小さな部屋には聖母マリアの像が 小さな部屋には聖母マリアの像が

「植民地」というマカオの数奇な歴史をたどる見学となるでしょう

けれども、警備員さんはこちらが質問すると解説もしてくれましたよ。天井近くの壁にずらっと並んだ肖像画を、「この人たちは誰ですか」と尋ねてみると、歴代の首長(行政長官など)だということでした。警備員がいると、「ここから先は立ち入り禁止では?」と勘違いして、屋内はそこそこにして帰ってしまう観光客が多いのです。しかし、屋内外を両方ともじっくりまわってみて、初めてこのポルトガル建築の価値がわかってくると思います。外のアズレージョだけでなく、ぜひギャラリー、図書館、議事室も歩いてみてくださいね!

議事室の美しい室内。肖像画にも注目しましょう 議事室の美しい室内。肖像画にも注目しましょう