マレーシア第3の都市って?

マレーシア最大の都市はクアラルンプール、2番目がペナン島のジョージタウンであることまではわかるとして、では第3の都市は?そう聞かれて即答できる人はあまり多くないでしょう。クアラルンプールとペナンの中間地点にある、イポーです。映画のロケ地としてもたびたび利用される美しい街で、甘く香り高いコーヒー飲料「ホワイトコーヒー」発祥の地としても有名です。このイポーに、天然の洞窟を利用してつくられた仏教寺院があります。イポーを代表する洞窟寺院へ行ってみましょう!

マレーシア第3の都市イポー。その郊外に点在する、鍾乳洞を利用した洞窟寺院 マレーシア第3の都市イポー。その郊外に点在する、鍾乳洞を利用した洞窟寺院

のんびりした街イポーの魅力

イポーは19世紀には錫(スズ)の鉱業で栄えていましたが、鉱山が閉鎖された現在では、よく言えばのどか、悪く言えばさびれている印象があります。とはいえリーズナブルでおいしいフードコートも多くあり、中華系の人々が作った街並みや、コロニアル風建築の美しい鉄道駅もあり、のんびり滞在できる町とも言えるでしょう。洞窟寺院はいくつかあり、中心部からそれぞれ5kmから6kmほど離れて点在しているため、効率よく見て回るにはタクシーをチャーターするのが最も便利です。タクシー料金は交渉制なので、あとで値段のトラブルにならないよう、行き先や回り方をはっきり決めて運転手に伝えておきましょう。

大自然が提供してくれた、寺院に格好の地

私はペラ・トン、サン・ポ・トン、ケ・ロッ・トンと3つの寺院をタクシーで回りましたが、どこも中国寺院ならではの派手な造りです。寺院参拝や寺院建築よりも、やっぱり心に残るのは、天然の洞窟というワクワクするロケーションでしょう。イポーを囲む石灰岩の丘が、長い年月をかけて少しずつ浸食され、鍾乳洞に成り、やがてさらに大きな洞窟へとなっていったのです。ちなみに「洞窟」と「鍾乳洞」の違いは、洞窟内に二次生成物である鍾乳石があるかどうかで、鍾乳石のあるものがおもに鍾乳洞と呼ばれます。これらの寺院のある洞窟は鍾乳洞ですが、内部空間が巨大なので「洞窟寺院」と呼び習わされているのですね。

あなたのお気に入りの場所になるかも……

洞窟内の岩肌は石灰石独特のぬめっとした質感で、心細いライトアップと参拝者たちの捧げたろうそくの灯りがその岩肌を照らし出し、金ピカの仏像よりも畏怖心を起こさせます。これらの寺院は19世紀終わりから20世紀初頭にかけて建立されましたが、当時、洞窟に入ってみた人が「ここにお寺をつくろう」と決心したのもうなずけます。自然に勝る芸術家はいないということを実感させてくれる寺院群。ヘッドランプをつけて腰を屈めて探検するような「鍾乳洞」とはちょっとイメージがちがいますが、天然の意匠が信仰心へと結びつく過程が見えてくるスポットです。マレーシアをゆっくり回る旅人なら、お気に入りの場所になること間違いなしでしょう。