熱帯雨林名物「キャノピー・ウォーク」とは

キナバル公園散策で、あとひとつやりたかったことは「キャノピー・ウォーク」です。ポーリン温泉の喧噪からいったん離れてまた山の中に入っていくと、たちまち濃い大気に包まれ、木々を見上げて「ああ熱帯雨林だなあ……」と実感します。キャノピー・ウォークとは、森の林冠(木のてっぺんの部分)の高さに吊り橋を架け、森林を見上げるのではなく上から見下ろすという体験です。

「森にはなんでも揃っています」キナバル公園のガイドさんが胸を張る世界遺産の森を散策!(その3) 「森にはなんでも揃っています」キナバル公園のガイドさんが胸を張る世界遺産の森を散策!(その3)

高所恐怖症の人にはおすすめできないかも……

吊り橋はかなり細くてぐらぐらする上に、ここのキャノピー・ウォークはマレーシアでも最高レベルの高さを誇るため、高所恐怖症の人にはちょっとつらいかもしれません。私は高所が平気なので張り切ってスタート。スタート地点には係員がいて、橋の上の人数が超過にならないように調整しています。一番高いところで、地面との差が60mくらいあるというこの吊り橋体験は、私には“ゾクゾク興奮する”というのではなく、“しみじみと感動する”ものでした。

見えないものを見て、聞こえないものを聞く感動

ここに来るまでにも、さんざん山は見てきているし、高所から見たからといってとんでもないスペクタクルな眺望に変わるというわけでもないのです(あいかわらずの山の景色です)。けれども、ほんものの森の中の、オランウータンの目の位置から見ていると思うと、しずかな感激が込み上げてきます。ボルネオ島を代表する動物・オランウータンの野生の姿を見ることなどはとてもかないませんが、本当は今、目の前にあるこの緑の中に数えきれない虫や鳥や獣がいるんだなあ……吊り橋の上で風の音を聞きながら、想像力をはたらかせていました。

子供たちにとっては楽しい遊び場所

私の前後にはマレー系の顔をした家族連れが渡っていました。子供たちは周りも見ずに、ひょいひょいと歩を進めて、渡る速さを競っています。その姿を見て、こう思いました。小さい子供にとってキャノピー・ウォークは、フィールドアスレチックのように、揺れる吊り橋を渡るだけの体験かもしれない。ここは、想像力が育ってから体験するほうがいいのかもしれない、と。

熱帯雨林の豊かさを体験しに、森へ行こう!

見えないけれど確実に森のどこかにいるオランウータンやテングザルや、美しい南国の鳥、自分がそういう生き物になったとしたら、こんなふうに風景は見えているんだ……と想像すると、なんともうっとりします。それだけでなく、次に動物園などでそれらの動物を見たときに、「かつて彼らの目にはあの高さの風景が映っていたのか」と感慨深くなることでしょう。キャノピー・ウォークは、子供よりも大人のためのプレイスポットです。ぜひ、ボルネオ島で想像力を助けに森の豊かさを体感してください!