- 松浦紀子
- マレーシア在住。会社員。旅行の乗り継ぎでたまたま寄ったマレーシアに魅了され、渡馬。好奇心旺盛で、興味を持ったものには探究心バリバリ、そして良いと思った物は皆にも伝えたい。ただ今、常夏マレーシア生活を満喫中!
出発エリアをに変更しました。
トランス状態になった後、体中に串を刺します。苦行によって願いが成就すると信じている、ヒンドゥー教徒たちの姿はすさまじい!
ヒンズー教のお祭り、タイプーサム(Thaipusam)は願いを叶えてくれた神様を訪ね、お礼をするための行事です。ヒンドゥー教の暦で、「タイ」の月の満月の日に行われる為、行なわれる日は毎年違いますが、2008年は1月23日に行なわれます。約10万人の信者を集めて行なうこの奇祭、とにかく過激の一言。舌や頬、胸、背中、肩など体中に串を刺した信者が、カバティと呼ばれる神輿を体に乗せて練り歩く壮絶なもの。自分の体を痛めつけることで神に忠誠を誓う目的で、顔や背中、腹などに無数の針や串を刺します。世にこんな痛〜いお祭りがあるの!?と驚きの連続。世界一危険なお祭り!といっても過言ではないでしょう。
ヒンドゥー教の聖地。中は大鍾乳洞は吹き抜けになっており、天井から差し込む光が神秘的な空間を生み出している
祭りの舞台は、ヒンドゥ教の聖地であるバトゥ・ケーブ(Batu Cave)。
チャイナタウンのヒンドゥー教寺院を出発した信者が神輿を担ぎ、バトゥ・ケーブの272段もの階段を登って、神達に感謝の意を伝えます。普段は静かな観光地ですが、この日ばかりは100万人の信者、見物人がこのお寺に集まります。多民族国家のマレーシア、このうちインド系は10%未満ですが、この日は見渡す限りインド人。小さな子供から女性まで、家族総出で参加するお祭りです。夜明けとともに始まるこの行進ですが、深夜まで途切れることはありません。
頬、舌には、バーベキューの串よりはるかに太い金串を貫通させ、背中には針やフックをさして、山車を担いだり…と見ているだけで、痛〜っいお祭り。あまりの痛々しい姿に見ている方が辛くなってしまいます。
ここで疑問なのが、「痛くないの?」
実は、祈祷師に催眠術をかけられて、トランス状態になってから刺すので、本人は痛みを感じない上、血も出ないようです。また苦行者たちは、この日の為に数週間程、肉、魚を絶ち、身も体も清めているのも、痛さを感じない理由だそうです。
272段もの階段を上り終え、最後に串を抜かれます。終わった後は実に晴れ晴れとした、表情をしています
写真を見ても、このお祭りの過激さが伝わると思いますが、間近で見ればさらなる迫力に圧倒されます。それもそのはず、あまりに過激なお祭りの為、本国インドでは禁止されており、世界でもマレーシアとタイ、シンガポールだけでしか見ることができないお祭りです。
年に一度のこのチャンス!BatuCavesはクアラルンプールからタクシーで15分とアクセス至便な場所。ぜひこの過激なお祭りでこの目で見てみましょう。
■Thaipusam (タイプ−サム)
場所:Batu Caves(バトゥケイブ)
行き方:KL中心部から 14.5km 、タクシーで約15分(15RM)
もしくはチャイナタウンからバス、No70、349のバスに乗って45分(30分毎出発)
見学料:無料
見学可能時間:2008年1月23日、夜明け前から深夜まで、1日見学が可能です。
※日が出るに連れ、周辺は混雑するので、出来るだけ早めに(8時前後)到着することをオススメ。
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2007/11/20)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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