東南アジアの、限られた場所でしかとれないマンゴスチン

マンゴスチンの続きです。マンゴスチンは、栽培がとても難しい植物といわれています。『東南アジア市場図鑑〔植物篇〕』(弘文堂、2001年)によれば、「赤道を挟んで南北15度以内、高温多湿の気候という、東南アジアでも限られた地域でしか栽培できない」とか。「しかも実を収穫できるようになるまでに、植えてから15年以上かかる」(前掲書)といいます。たしかに、どこでも見かけるフルーツではありません。

海外旅行でおすすめなのは、トロピカル・フルーツ 「果物の女王」マンゴスチン(後篇) 海外旅行でおすすめなのは、トロピカル・フルーツ 「果物の女王」マンゴスチン(後篇)

大英帝国の女王を嘆かせたフルーツ

マンゴスチンは「果物の女王」ともよばれます。原産地のマレー半島は、ヴィクトリア女王(在位1837年~1901年)の時代には大英帝国の植民地でした。栽培条件が厳しくて移植も難しい上に、当時は保存も輸送も困難だったことから、自分の治める領土にマンゴスチンを産する土地があるのに、それを食べることができないと女王は嘆いたのだそうです。マンゴスチンのおいしさは、ヴィクトリア女王も聞いていたのでしょうね。七つの海を支配したといわれ、栄華を誇った大英帝国の女王も、マンゴスチンは手に入れられなかったというのが「果物の女王」とよばれる由来のようです。

後をひく、甘酸っぱいおいしさ

熟したマンゴスチンは、軽く押すと殻が割れます。色の鮮やかな、傷の少ないものを選ぶとよさそうです。厚い皮のなかには白い果肉が房になっていて、みずみずしい甘さと、ほのかな酸味があります。むくときには、皮から出てくる汁に注意するほかに、ありがたかっていないか気をつけましょう。甘い香りに誘われて、へたの部分などにありがいると、手を噛まれます。皮をむく前に洗面台などに水を張り、しばらくマンゴスチンを浸しておくと安心です。日本にも冷凍マンゴスチンがありますが、やはり生の味にはかないません。旬の6〜9月に東南アジアを旅行する機会があれば、おすすめしたい果物です。