もじゃもじゃ毛だらけの、ランブータン

見た目が印象的な東南アジアの果物のひとつに、ランブータンがあります。マレーシアでは郵便切手にもなっていて、たいへん親しまれているフルーツ。マレー半島が原産で、マレー・インドネシア語では「ランブータン」、タイ語では「ンゴ」とよばれています。マレー・インドネシア語の rambut は髪の毛とか、体毛を意味する単語ですが、それに-anがついたrambutan「毛のあるもの」が名前の由来です。もじゃもじゃと毛に覆われていることを表現したのでしょうね。中国語では「紅毛丹」(ホンマオダン)と言うそうです。

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レイシ(ライチ)やリュウガンの仲間

マレーシアでの旬は6〜9月ごろ。緑色の実が、赤く色づいてきたら食べごろです。お店では、枝に鈴なりについた状態で置いてあり、キロ単位で買います。殻は薄くて壊れやすいので、殻が割れているもの、黒ずんでいるものは避けた方がいいでしょう。やわらかいとげに覆われたランブータンの殻は柔らかいので、ナイフを使わずに手でむいて食べられます。植物としては、レイシ(ライチ)やリュウガンの仲間ですが、なるほど果実も似ています。実は白く半透明な球状で、少し酸味がありますが、甘くておいしい。殻をむいているうちに果汁が出てくるので、ボウルやお皿を使って逃がさないように食べるのがコツ。甘い香りに誘われて、もじゃもじゃのとげにアリが隠れていることがあります。なので食べる少し前に、ボウルや洗面台に水を張ってつけておくと、虫が浮いてくるので安心です。

忘れられないおみやげ

東南アジアでは、都市部を離れると、庭に果物の木を植えた家をよく見かけます。以前、古代遺跡を探しにマレーシアの農村部に出かけたときのこと。遺跡の入り口に民家があり、事情を話して庭先を通らせてもらいました。突然の来訪者が外国人だったので、そのおうちのご家族は少し驚いた様子でしたが、「こんな遠くまで、ようこそ」と、おみやげにランブータンをどっさりもたせてくれました。甘味が強いので、ランブータンの実はジャムやシロップの材料になるそうです。また、民間療法ではランブータンの木の樹皮や根をうがい薬にするとも聞きました。庭先で果物がとれるなんて、熱帯の豊かさを感じますね。