肉骨茶(パクテー)とは何か?

これを食べたら、その見た目以上にさっぱりとした複雑な味と、やわらかい豚肉の食感に、うっとりしてしまう人も多いのではないでしょうか。それが肉骨茶という具だくさんの豚肉のスープです。中には骨付き豚のあばら肉、各種の内臓、キノコ、レタスなどが入っています。真っ赤なクコの実がスープに浮かび、八角やシナモン、丁子の香りが鼻から抜けます。味付けは甘い中国醤油ですが、漢方薬にも用いられるスパイスの香りが生かされています。一杯飲むと、体に沁み渡るようなうまさです。土鍋で作られていたことから、鍋料理のひとつに数えられます。マレーシアや中国では、ホーカーセンターと呼ばれる屋台村やデパートのフードコートに行けば、必ずと言っていいくらい店が出ています。スープをご飯にかけながら食べるもよし、焼きそばのような麺と食べるもよし、具材とご飯のセットでも食べるもよしです。

左が肉骨茶、右が付け合せの麺、上が肉骨茶ライス、 左が肉骨茶、右が付け合せの麺、上が肉骨茶ライス、

肉骨茶はどのように誕生したのか?

肉骨茶が食べられるようになったのは、今から100年以上前の、イギリス植民時代と言われています。当時中国やインドから多くの労働者がマレー半島には来ていたのですが、その中の福建人が、福建料理をベースに考案したようです。骨付き肉や内臓は安く手に入りました。それを漢方で煮込むことで滋養強壮にきく料理に仕上げ、炎天下で働く中国人の労働者の胃袋を満たし、体力増進に役立ったようです。当時は朝食として食べられていたようです。シンガポール発祥説もありますが、マレーシアのクアラルンプールの西に位置する港町のポート・クランではないかとする説が有力です。また肉骨茶には、福建系と潮州系と言われる2種があり、福建系は色が濃く、とろっとしており、潮州系は色が薄く、スープが澄んでいます。作っているところ見られる店も多いので、好みの味を探ってみてください。

クランの名店で食べる肉骨茶

クアラルンプール中央駅からポート・クランまではKTMコミューターで1時間ほどです。駅から目指すは、「四眼仔肉骨茶(Sei Ngan Chai Bak Kut Teh)」です。タクシーで行くのがいいでしょう。この店の肉骨茶はとろっとした福建系、中に湯葉が入っているのがうれしいですね。刻みニンニクと唐辛子をパラリと振りかけいただきます。そうそう、油條(ヨウティアオ)も注文するのをお忘れなく。この中身のないような揚げパンに、スープが染み込みうまいのです。油條にライスを付けても1杯400円ほどです。スープのないドライ肉骨茶もありますが、個人的にはスープのほうが好きです。クアラルンプール市内では中心地のブキッ・ビンタンにほど近い「新峰肉骨茶(Sun Hong Muk Koot Tea)」が有名です。こちらでは白菜と豆腐が入っています。