チャイナタウンにあるヒンドゥー寺院

漢字の看板が氾濫し、いつでもお祭りのような活況を呈しているクアラルンプールのチャイナタウン。そんな中華色あふれる街の一角にちょっと風変わりな建物があります。カラフルにペイントされたヒンドゥー教の偶像をたくさんあしらった門。先端にかけてやや細くなったその門を抜けると、そこがマハー・マリアンマン寺院。ヒンドゥー教徒だけでなく、時には中華系の人々もお参りに訪れます。

クアラルンプールの中国人街で微笑むヒンドゥー教の女神 その1 クアラルンプールの中国人街で微笑むヒンドゥー教の女神 その1

マレーシアのインド人は南インド出身の人が多い

マレーシアは主に、マレー、インド、中華系の3民族を中心とする多民族国家です。インド系住民の多くが、インド南端のタミルナードゥ州に出自を持つタミル人。マレー語とは全く言語系統が異なるタミル語を話します。タミル人の多くは、マレー半島がイギリスの支配下にあった19世紀に、サトウキビ、コーヒー、ゴムなどのプランテーション農園での労働力として連れて来られた人々や、主に大都市でイギリス植民地政府の官僚や鉄道技師などとして海を渡った人々の子孫です。

マリアンマン女神ってどんな神様?

名前の通り、この寺院のご本尊はマリアンマンという女神。主に南インドのタミル・ナードゥ州、カルナータカ州、アーンドラ・プラデーシュ州、ケーララ州の一部などで信仰されています。タミル語で「マリ」が雨、「アンマン」は母を意味し(寺院名の最初に来る「マハー」は偉大なるという意味)、雨を降らしたり、疫病などから信者を守る女神です。南インドからタミル人がマレー半島に移住する際には、この女神が移住の際の守護者として崇拝を受けました。そのため、現在のマレーシアでも多くのマリアンマン寺院が見られるのです。

140年の歴史を持つマリアンマン寺院

マハー・マリアンマン寺院は1873年にクアラルンプール駅の近くに創建されました。1885年にはチャイナタウンに移転し、それ以来、建替えや修復を重ねながらも今に至ります。もともとプライベートな寺院だったものが、一般にも開放され、現在ではマレーシアで一番歴史がある裕福なヒンドゥー寺院と言われています。異教徒であっても中には入れるので(寺院内は土足厳禁)、チャイナタウン観光の際に立ち寄ってみるのも面白いでしょう。(その2に続く)