見どころの多い「ムルデカ広場」周辺

首都クアラルンプールの観光名所といえば、1957年にイギリスからの独立が宣言された「ムルデカ広場」(「ムルデカ」はマレー語で「独立」の意味)。絵はがきやポスターの写真にも使われる銅色のドームの時計塔、スルタン・アブドゥル・サマド・ビルディングは、クアラルンプールの顔といえる建物です。

多文化が織りなす美しい染織品の数々。マレーシア国立テキスタイル博物館(前篇) 多文化が織りなす美しい染織品の数々。マレーシア国立テキスタイル博物館(前篇)

歴史のある19世紀のムガール様式の建物

マレーシアの国立テキスタイル博物館は、このムルデカ広場の一角に建っています。赤れんがと白い漆喰のストライプが印象的な美しい建物は、1896年に建築されたもの。マラヤ連邦鉄道の本社やスランゴール州庁舎など、さまざまな官公庁に使われた後、2010年から博物館として公開されています。美しい白亜の壁や、イスラム風の独特なアーチを描く窓など、歴史的建造物に興味がある方は、内部を自由に見て歩く楽しみもあります。

マレーシアの染織文化を一望できる展示

テキスタイル博物館は、マレーシア各地の織物や染物、手工芸などを紹介する施設で、調査や研究も行っています。受付で名前さえ書けば、無料で見学できるので、隠れたおすすめスポットです。展示内容は、マレー人、華人(中国系)、インド人、サバ州やサラワク州に住む「オラン・アスリ」(先住民)の染織品で、マレーシアの染織文化を一望できます。ところどころマレー語の固有名詞が混じりますが、館内の説明は英語なので、日本の人にもわかりやすいでしょう。

旧英領なので、階の表示はイギリス式

博物館は2階建てで、展示室は4つあります。正面玄関のある地上階から見学してもいいのですが、どんな人たちが住んでいるのかが最初にわかると展示内容も理解しやすいので、わたしのお勧めは、上の階からのコースです。マレーシアはイギリス式で、地上階は「グラウンド・フロア」、「ファースト・フロア」は日本でいう2階ですので、おまちがいなく。

まずは、どんな人たちが住んでいる国なのか、おさらい

ファースト・フロアの「ラトナ・サリ」ギャラリーは、アクセサリーや服飾にまつわるものを集めたコーナーです。「ラトナ・サリ」は、宝石や金銀の装飾品のこと。身に着け方を紹介するために、マレーシアに住む人びとの民族衣装を紹介しているので、どんな人たちが住んでいるか、知ることができます。人口の多くを占めるマレー人、そして貿易や労働のために移民して来た華人(中国系)やインド人の3つの主要民族と、主にボルネオ島で暮らす先住民族の特徴的な衣装が説明されています。「目で見る多民族社会」という展示です。(後篇に続く)