マレーシア流英語「マングリッシュ」

「マングリッシュ」は、日本の人にはちょっと聞きなれない単語かもしれません。マレーシア流英語、ほどの意味で、地元の人たちがよく使います。お隣のシンガポールの「シングリッシュ」(シンガポール流英語)よりも知られていませんが、もとはといえばイギリス統治時代には英領マラヤだった両国、共通する部分がかなりあります。

英会話が苦手な人にもやさしい、マレーシア英語「マングリッシュ」入門(その1) 英会話が苦手な人にもやさしい、マレーシア英語「マングリッシュ」入門(その1)

「マレーシア人」といっても、背景はさまざま

典型的な多民族国家といわれるマレーシアは、人口の約7割を占めるマレー系、約2割の中国系、1割に満たないインド系、そして少数の民族(オラン・アスリ)から構成されています。国語はマレー語ですが、中国系は北京語のほか、先祖の出身地である中国の地域語(福建語、客家語、広東語、潮州語、海南語など)を日常的に話し、インド系は主にタミール語、民族はそれぞれの民族のことばを話しているので、異なるグループと話す場合は英語を使うことも多い社会です。19世紀からはイギリスの植民地になったために、公用語も英語だった時代があり、年配の人びとは流暢なイギリス式発音の英語を話す人も少なくありません。

マングリッシュの特徴は?

「マングリッシュはマレーシア語と英語の単語の組み合わさったものである。マレーシア人が、めちゃくちゃな英語を話しているわけではない。」(Lee Su Kim, Manglish, Marshall Cavendish International, 1998)と説明されている通り、ブロークン・イングリッシュというよりは、多文化マレーシアのいろいろな要素がミックスされて独自の進化を遂げた英語という印象があります。もちろん個人差はありますが、家庭内で英語を使っている人たち、英語で授業が行われる学校で教育を受けた人たち、留学経験者たちなどの英語運用能力は、標準的な日本人よりも高いと思われ、文法的にまちがいのない、英語圏でも通用する英語が話せる人は少なくありません。(その2に続く)