標準英語とマングリッシュ

マレーシア英語の続きです。巧拙はともかく、生活の中で英語が使われているマレーシアでは、英語圏で仕事をしたり、留学したりと、国外に出ることにあまり抵抗がない人が少なくないようです。そこで初めて自分の言い方がマングリッシュだったことに気がついた、と話す人もいます。逆に、英語圏の人がマレーシアに来て、自分にわからない表現に目を白黒、ということもあります。ただ、マングリッシュを使うことで、英語圏の英語では表現しきれないニュアンスを出そうとしている印象はあり、こちらが学校で習った英語で話しかけた場合、相手のマレーシア人がわからないということではありません。

英会話が苦手な人にもやさしい、マレーシア英語「マングリッシュ」入門(その4) 英会話が苦手な人にもやさしい、マレーシア英語「マングリッシュ」入門(その4)

子ども向けの英語番組『オー・マイ・イングリッシュ』

マレーシアのテレビに“Oh My English”という子ども向けの番組があり、こうした英語表現のギャップをコミカルに紹介しています。わたしがいくつか見たなかでおもしろかったのは、こんな場面でした。マレーシアでは書類にスタンプを押すことをchopと言います。学校の職員室らしいところに生徒が行って、先生に「書類にチョップしてください」と頼んだところ、教師は「あなたはチョップしてほしいの? 本当にいいんだね」と、確認します。「はい、お願いします」と言ったところ、先生は大きな身振りで「アーチョー」と空手チョップをして、書類はだめになってしまうという流れでした。毎回、こんな具合に困った人が“Oh, my English!”と頭を抱えた後に、正しい英語表現が紹介されるという構成で、動画サイトのYou Tubeでも視聴できます。

日本人の英語にも寛容なマレーシアの人びと

マレーシアでは、日本人は一般的に英語が苦手だと考えられているようです。日本人は、少なくとも義務教育の中で英語を学んでいると言うと、ちょっと不思議そうな顔をされます。「ただ、読み書きを含めて基本的に日本語で用が足りるので、マレーシアのように日常的に会話で使う機会はあまりないのです」と付け加えると、なるほど、という反応が返ってきます。多民族・多言語の国マレーシアの人びとは、純粋な英語圏ではない分、慣れていない人の英語にも寛容で、辛抱強く聞いてくれることが多いように思います。もちろん、文法や発音にまちがいのない方がいいのですが、あまりそれにとらわれてしまって会話も楽しめないようでは、本末転倒です。マレーシアを旅するときは、あまり構えずに英語でコミュニケートしてみませんか?