買い物客ウォッチングも楽しい市場

マレーシアの市場その2からの続きです。こういう市場は、一般的には「ウェット・マーケット」と呼ばれています。床が濡れていることから、衣類や雑貨を売る市場とは区別してそう呼ぶのですが、「生鮮市場」といったところでしょうか。日本ではもうあまり見かけなくなりましたが、自分のかごや小さなカートなどで買い物に来る人も結構いて、買い物客ウォッチングも楽しいのが市場です。お母さんが野菜を選んでいるそばで、買い物袋を手に提げた女の子もいたりします。こういう風に、よい品の選び方や、お店の人とのやりとりを覚えていくのでしょうね。

海外旅行のおすすめはローカル・マーケット 多民族が暮らすマレーシアの台所(その3) 海外旅行のおすすめはローカル・マーケット 多民族が暮らすマレーシアの台所(その3)

華人の多い地域の市場

華人の多い地域では、また少し違った食材が市場に並んでいます。クラン・ラマ市場は、大型商業施設ミッドヴァリーに通じる、クラン・ラマ通り沿いにあります。ここは屋根のついた常設市場で、町なかと違って外国人観光客はまったく見かけないところです。売り手もお客もほとんど華人なので、飛び交うことばも広東語や北京語。マレー系の市場とは、ずいぶん雰囲気が違います。中は野菜、鮮魚、精肉という風に、だいたいコーナーが分かれています。

豚肉も置いてある華人系市場

市場の中には、中国系の料理でよく使う豚肉売り場もあります。イスラム教徒は豚を食べないだけではなく、触ることも避けるので、一般のスーパーマーケットでは「ノン・ハラール」(戒律で許されていないもの、の意)として売り場は分かれているのが普通です。しかしここでは、大きな塊の状態で豚肉が売られていて、お客の注文を受けてから必要な分量を量り売りしています。そういえばクラン・ラマ市場では、あまりマレー系の人の姿を見かけません。中ほどには牛肉や山羊肉などもあって、頭や足、内臓などに分けて売っています。 

中国系の好む料理と食材

揚げる、煮込む料理を好むマレー系に比べて、中国系の人びとは蒸したり炒めたりという調理法が得意です。味付けが薄い分、鮮度にも敏感といわれ、魚売り場に行くと、蒸し魚で人気のガルーパなどの魚や、えびやかになど海鮮料理で使う魚介類が並んでいます。干し貝柱などの乾物や、薬膳料理に使う中華スパイスなども、華人の多い地域ならでは。華人もマレー料理を食べないわけではないのですが、日頃の生活では、食べるものがマレー系とは違うことがよくわかります。(その4に続く)