上質なおみやげならピューター

マレーシアらしいおみやげといえば、熱帯のくだものをつかったお菓子やカラフルな布製品などがあります。もう少し質のよい、永く使ってもらえるような贈り物なら、マレーシア特産のピューター製品はいかがでしょう。銀色に輝く、どっしりしたジョッキのほか、すっきりとした形の花瓶、落ち着いたフレームの写真立てなど、いろいろなものがあるので、贈る相手や予算に合わせて選ぶことができます。ピューターは丈夫で永くもつので、記念品などの用途でも人気があります。

大切な人へのおみやげなら 永く愛用してもらえるマレーシアのピューター <前篇> 大切な人へのおみやげなら 永く愛用してもらえるマレーシアのピューター <前篇>

そもそもピューターとは?

耳慣れない単語かもしれませんが、「ピューター」(pewter) とは錫(すず)の合金のことです。日本や中国のように陶器が発達しなかったヨーロッパでは、ごく普通の市民が使うお皿はブリキでした。錫に少量の鉛を加えた合金のピューターは、お皿や鉢、杯など日常の食器のほか、水差しやジョッキなどに加工されて広まりました。現在のマレーシアは、天然ゴムやパーム油、胡椒の輸出国ですが、かつては錫の生産額も世界一でした。良質の錫に恵まれているため、ピューターの生産国としても世界的に知られています。

錫産業で発展したマレーシア

錫産業の発展はマレーシアの近代史と深く関係しています。マレーシアの錫の採掘の歴史は古く、16世紀にポルトガル人がマラッカに来航した頃には、すでに行なわれていたそうです。当時は主に中国人が採掘に従事していて、17世紀にはオランダ人が錫の集荷のための商取引所をいくつか開設しています。19世紀に入ると、マレー半島はイギリスの植民地になりますが、宗主国のイギリスで錫製の皿の需要が高まったことから、イギリス産の錫よりも安価なマラヤ(現在のマレーシア)産の錫が注目されるようになります。(後篇に続きます)