- 山本ちかだるま
- モンゴル国在住。東京外国語大学モンゴル語科在学中から取材コーディネートと通訳・翻訳業を始め、2002年にモンゴルで起業。年間平均移動距離1万km、モンゴル国全21県踏破の行動派。この道一筋20年の「モンゴルよろづ屋」がお送りするぴっちぴちのモンゴル、まるかじり紀行です。
出発エリアをに変更しました。
騎馬軍団を構成するのは本物のモンゴル陸軍の一部隊。一糸乱れぬ見事な騎馬操作でまるで巨大な生き物のよう
「チンギスハーン 800年目の帰還」はモンゴル帝国建国800周年にあたる2006年からスタートした壮大なイベントです。今年で3年目。モンゴル国防省と日本の大手広告代理店、大手旅行代理店ががっちり固い団結力で立ち上げました。舞台となるのは、ウランバートルから約50km離れたトゥブアイマグの大草原。舞台の広さは、いってみれば人間の視界の広さに匹敵。なんとJR山手線1周の線路内と同じくらいとか。モンゴルらしさを体感できるイベントとして夏のモンゴルを訪れるなら必見です。
可能な限り再現した当時の装備で武装した騎馬軍団が草原を砂煙を巻き上げながら全力疾走。観客席ギリギリまで迫ってきます
舞台となる草原はモンゴル国陸軍の演習地。見渡す限りの地平線と思いきや、実は起伏にとんだ大平原。その地形も舞台演出の大事な装置。観客席からは見えない小さな谷間には500もの騎兵が隊列を組んで潜んでいるのです。どこからともなく出没し、ずんずんと観客席に迫ってくる大軍の迫力に圧倒されます。部隊ごとに馬の毛色や鎧かぶとの色が統一されています。白兵戦の混乱の中でも一目で敵味方が識別できるようにするチンギスハーンの組織戦のアイディアが集結しているのです。
砂煙が立ち込める草原では壮絶な合戦シーン。強靭な肉体と日頃の訓練の賜物。手加減知らずなのはやっぱり軍事訓練を兼ねているから? 騎馬民族の血が騒ぐ
このイベントでは、モンゴル騎馬軍団の戦法や組織力の秘密を凝縮して体感することができます。馬の毛色や鎧かぶとの色ごとに別れたチームは疾走する馬上からも攻撃できる射手、相手の機動力を奪うため軍馬を傷つけ、騎兵を引きずり倒す重騎兵、そして馬上から振り下ろして敵を一刀両断にする剣士らで構成されています。ひと夏、約2ヵ月間続くこのイベントはモンゴル軍の演習もかねているため、真剣そのもの。激しい戦闘シーンでは、毎回、ほんとに負傷兵が出るほど。本物の軍隊が繰り広げる合戦シーンは、どこを見ても壮絶。13世紀の中央アジアに生まれなくてよかった! 騎馬軍団に襲われなくてよかったと思わずため息。
モンゴル国陸軍、全面協力のイベント。勇猛果敢な騎馬隊の兵士の中には徴兵されたウランバートル出身の都会っ子もいます。新兵さんも10日間もすれば自由自在に馬を乗りこなせるようになるそうです
騎馬軍団ショーの前後にもお楽しみが満載。会場には日本語堪能なスタッフがいるので、安心して自由に歩き回れます。このイベント会場だけで買えるお土産やイベントグッズも盛りだくさん。会場での通貨は「ゲレゲ」というモンゴル帝国が他国との交易に使用した金属製の札。飲食サービスをご利用前に「ゲレゲ」に両替します。モンゴル伝統音楽や伝統芸能、軟体アクロバットなどの野外上演など、イベントに訪れた人を飽きさせません。今年が最後のチャンスかも! 迫力満点のイベントをお見逃しなく!
イベント名:「チンギス・ハーン 800年目の帰還」
アクセス:専用送迎バスあり(有料・出発時間等要確認) ウランバートルから南西約50km。チンギスハーン国際空港手前をトゥブ県ゾーンモド方面に左折(市内からの場合)、ウンドゥルドブ手前から案内看板あり。
入場チケット:チケット購入は日本の旅行代理店、モンゴル現地ツアー会社やホテルなどでも可能。
開催日についてはイベント公式ホームページで確認してください。(2008年の開催期間は7月10日〜8月31日)
公式ホームページURL:http://www.800mongol.com/top.htm
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2008/05/27)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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