イヌワシと共に生きる、モンゴル最果てカザフ鷹匠文化探訪の旅

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イヌワシと共に生きる、モンゴル最果てカザフ鷹匠文化探訪の旅

掲載日:2008/08/25 テーマ:大自然 行き先: モンゴル / ウルギー ライター:山本ちかだるま

タグ: 大自然 動物 美しい



ABガイド:山本ちかだるま

【モンゴルのABガイド】 山本ちかだるま
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モンゴル国在住。東京外国語大学モンゴル語科在学中から取材コーディネートと通訳・翻訳業を始め、2002年にモンゴルで起業。年間平均移動距離1万km、モンゴル国全21県踏破の行動派。この道一筋20年の「モンゴルよろづ屋」がお送りするぴっちぴちのモンゴル、まるかじり紀行です。

伝統的な鷹匠装束に身を包んだサグサイソムのベテラン鷹匠の皆さん。重要な行事には必ず登場。サグサイソムは県庁所在地ウルギーから約30km。快適な宿泊施設もあり、一番手軽なカザフ文化体験できる村です 伝統的な鷹匠装束に身を包んだサグサイソムのベテラン鷹匠の皆さん。重要な行事には必ず登場。サグサイソムは県庁所在地ウルギーから約30km。快適な宿泊施設もあり、一番手軽なカザフ文化体験できる村です

アルタイ山脈で守り抜かれたカザフ伝統のイヌワシ狩り文化

猛禽類を調教して獲物をとる狩人を日本では総称して「鷹匠」と呼びます。日本でも古来、クマタカによる鷹狩は武士のたしなみでした。アラブではハヤブサを使った貴族のスポーツとして今でも人気があります。でも実生活に鷹匠文化が残っているのは世界でもわずか。アルタイ山脈に暮すカザフ民族がその文化の継承者です。中でも群を抜いて多くの優秀な鷹匠が現役で活動しているのがモンゴル国バヤンウルギーです。社会主義による伝統文化の弾圧、市場経済化による経済的な困難に耐えて民族の誇りであるイヌワシ鷹匠文化を守り続けています。

 

鷹匠さんと一緒にイヌワシの個体計測中。計測後に番号付きの足輪をはめて、登録証を渡します。イヌワシの寿命は約20歳。1歳前後で捕獲し、繁殖能力があり自立生活もできる9歳くらいのうちに自然に帰します 鷹匠さんと一緒にイヌワシの個体計測中。計測後に番号付きの足輪をはめて、登録証を渡します。イヌワシの寿命は約20歳。1歳前後で捕獲し、繁殖能力があり自立生活もできる9歳くらいのうちに自然に帰します

希少動物を守りながら共に生きる試み

イヌワシはワシントン条約の絶滅危惧、希少動物にリストアップされている世界でも貴重な猛禽類です。鷹匠が飼育するイヌワシは国の認可登録を受けています。餌となるウサギのような野生動物が激減したため、イヌワシ飼育も難しくなってきました。そこで2002年に鷹匠たちが結束してイヌワシの生態調査と保護活動、そして民族伝統文化の保護と振興を目的とした「モンゴルイヌワシ協会」を設立。モンゴル国立科学アカデミーの鳥類学者と一緒に毎年、イヌワシの計測や狩猟状況、生息環境の調査をしています。

 

まるで恋人のように主に寄り添うイヌワシ。働き盛りの雌4歳。夏には7kg近くある体重が狩猟シーズンには2/3まで減量される まるで恋人のように主に寄り添うイヌワシ。働き盛りの雌4歳。夏には7kg近くある体重が狩猟シーズンには2/3まで減量される

イヌワシはカザフの誇り 立派な家族の一員

カザフのシンボルはイヌワシです。イヌワシは野生の猛禽類なので捕獲法や飼育法、調教など様々な高度な技術が要求されます。誰でも鷹匠になれるわけではありません。それゆえ、イヌワシ鷹匠は地域の名士として尊敬されています。イヌワシと鷹匠は固い信頼関係が築かれます。イヌワシには専用の止まり木が与えられ、夏はせせらぎの傍、冬は主人を真っ先に迎えられる場所にいます。目隠しをしていても、主人の足音に反応して甘える従順なイヌワシですが、狩りとなったら狼をも倒す勇猛さ。狩りに使うイヌワシは雌が主流というから驚きです。

 

トルボソムでイヌワシ協会新会員になった息子とベテラン鷹匠のバイトルダさん。バイトルダさんは80歳過ぎの長老鷹匠で、バイクに二人乗りして狼をしとめるほどの猛者。普段はとってもお茶目なおじいちゃんです トルボソムでイヌワシ協会新会員になった息子とベテラン鷹匠のバイトルダさん。バイトルダさんは80歳過ぎの長老鷹匠で、バイクに二人乗りして狼をしとめるほどの猛者。普段はとってもお茶目なおじいちゃんです

鷹匠一家と暮らすホームステイ

イヌワシは夏の間は1週間で約1-2kgの肉を食べます。狩猟シーズンには、絶食や食事制限をしますが、最近の物価高騰と野性の小動物の激減でイヌワシの餌代も馬鹿になりません。そこで、モンゴルイヌワシ協会では、イヌワシ鷹匠の伝統文化を守るために様々な取組をしています。ひとつが、外国人ツーリストの受け入れ。カザフ伝統文化の継承者である鷹匠一家のホストファミリープログラムは、外国人は生活文化を家族の一員として体験でき、鷹匠一家は、イヌワシを健康に飼育するための餌代確保ができる相互扶助の企画です。

 

これから狩りに行きます。鷹匠の帽子はキツネの前足の毛皮だけで作られます。キツネの前足は、キツネをしとめたイヌワシの主だけの取り分。つまりこの鷹匠帽子は名ハンターの証なのです これから狩りに行きます。鷹匠の帽子はキツネの前足の毛皮だけで作られます。キツネの前足は、キツネをしとめたイヌワシの主だけの取り分。つまりこの鷹匠帽子は名ハンターの証なのです

【関連情報】

■イヌワシ鷹匠ホームステイプログラム連絡先バヤンウルギー 本部
e-mail:アタイ(英語可)atai_undp@yahoo.com
ウランバートル 支部:モンゴルホライズン(日本語可)snd48644@nifty.com
アクセス:ウランバートルからバヤンウルギーまで飛行機で約4時間。

モンゴルイヌワシ協会は2002年2月に設立したモンゴル国認可NPO法人。イヌワシ鷹匠会員と外国人会員を合わせて約400人弱。鷹匠会員はバヤンウルギーアイマグ全土にいるので、ご予算ご要望にあわせてホームステイ先の手配が可能です。

 
 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2008/08/25)
※渡航前に必ず現地の安全情報をご確認下さい。http://www.anzen.mofa.go.jp/
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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