ネパールの珍しい地酒「トゥンバ」

「旅は食」。旅の楽しみのひとつに、その土地で出合う料理やお酒をいただくことが挙げられます。特にお酒好きな人なら、旅先で「ここでしか飲めない酒」に出会ったら、なんとしてでも「飲まねば!!」という気持ちになるでしょう。そして地元の飲み屋を見つけだして「とりあえず一杯」の幸福な時間を得るのです。さて、ネパールは実は酒呑みの国なんです。お隣のインドでは飲酒はあまりよくないもの扱いされていますが、ネパールでは様々な地酒が作られ飲まれています。ネパールに行ったら是非試していただきたい珍しい地酒が、「トゥンバ」。ひとことで表すなら「ストローで飲む日本酒のお湯割り」でしょうか。

お湯を継ぎ足したっぷり飲める、ネパールの地酒「トゥンバ」 お湯を継ぎ足したっぷり飲める、ネパールの地酒「トゥンバ」

地元の飲み屋を探し当てよう

トゥンパはチベット系のお酒で、シコクビエに麹を加えて発酵させて作るネパールの自家製のお酒のひとつです。旅行者はカトマンズのチベット料理屋で飲むことができますが、地元のおじさんが集う飲み屋のほうがやっぱり雰囲気もアップするので、宿のオーナーに「トゥンバの飲めるところを教えて」と尋ねてみるといいでしょう。安宿の洗面所やトイレに置いてあるようなプラスチックの器で出されるところもありますが、やはり伝統的な木製のマグだと味わいも倍増します。トゥンバを注文すると、山盛りの茶色い雑穀の粒々が入ったマグとお湯の入ったポットが出てきます。

美味しくなるのは2杯目から

まずはポットからマグの上までお湯を注ぎます。待つことしばし、底のほうからブクブクと発酵の音がしてきたら飲み頃なので、木のストローでチューチュー飲みます。ストローは下をつぶしてあり、粒々のシコクビエが入ってこない仕組みになっています。お味は、ほんのり甘くちょっと酸味のある、かなり薄めの日本酒のぬる燗といったらいいでしょうか。気の抜けたぬるいビールのようでもあり、最初はキレがまだ今ひとつですが、飲み進めるごとに美味しくなっていきます。全部飲みきらず、だいたい7分目まで飲んだらまた熱湯を注ぎます。2杯目からは味にコクが出てきて美味しくなります。減ってきたらお湯を注いで、だいたい3〜4杯、美味しく飲むことができるでしょう。

トゥンバによく合う酒肴

トゥンバのあてには「バフチリ(水牛肉の唐辛子炒め)」がおすすめです。激辛な一品ですが、これがトゥンバには非常によく合うんです。水牛よりもチキンチリのほうが一般的で食べ易いかもしれません。それから「モモ(ネパール風餃子)」も外せません。私は焼きモモより蒸しモモが好きです。「お酒のつまみはやっぱりイモだ」という人は、ネパール風スパイシーポテトフライの「アル・タレコ」をどうぞ。これまた絶品ですよ。標高1300mに位置するカトマンズの冬の夜は冷えます。トゥンバをチューチューやりながら、ほっこりと温まってください。