仏教の四大聖地とは?

インドを巡るツアーの中で、今も中高年を中心に人気があるのが、「仏跡巡り」のツアーです。それらのツアーでは、ブッダ(釈迦)の生涯において重要となった「四大聖地」と呼ばれる場所が必ず含まれています。「生誕の地・ルンビニー」「成道の地・ブッダガヤー」「初転法輪の地・サルナート」、そして「入滅の地・クシナガル」です。ところがこの4カ所のうち、インドにはない所が一カ所だけあることをご存知でしょうか?

現在ではネパールにあるルンビニー

ブッダ生誕の地であるルンビニーは、インドの北に隣接する国、ネパールにあります。ブッダが生きた時代が正確にはいつなのか、今でもよくわかっていません(ネットで調べても、紀元前600年代前半から紀元前300年代後半まで幅があります)。もちろんのその時代が正確にわかったとしても、現代の国境とは当然ながら無関係です。それにネパールにあるといっても、ルンビニーは首都カトマンズからは遠く、むしろ北インドから続く平原の一部にあり、インド国境からも10kmほどしか離れていません。地理的にも文化的にも昔からインド圏の一部だったのでしょう。

アショーカ王の石柱の発見で特定

仏典によれば、お産のために実家に里帰りをしようとしていたマヤ夫人がここで産気づき、のちにブッダとなるシッダールタを脇の下から産んだと言われています。なぜブッダ生誕の地がここだとわかったかというと、ここからアショーカ王の石柱が発見されたことが根拠になっています。仏教を保護したアショーカ王が石柱を建てた紀元前249年には、すでにここがブッダの生誕地であることが知られていたようです。7世紀には玄奘三蔵もここを訪れています。しかしやがてインドでは仏教が衰退し、1896年にドイツの考古学者よって石柱が再発見されるまで、この「生誕の地」は忘れ去られていたのです。また石柱(と碑文)の発見は、それまで「伝説上の人物かもしれない」とされていたブッダが、実在の人物であることをほぼ証明しました。

ルンビニー滞在はのんびり過ごしたい

さて、現在のルンビニーはネパール有数の観光地となっています。日本からのツアーの場合は、インドの他の仏跡との組み合わせが多いので、その場合はインド側からバスで入り、1泊だけして再びインドに戻る、というスケジュールがほとんどです。実際、インド側の町ゴーラクプルからは、専用車なら半日で着いてしまう距離です。丹下健三がマスタープランを施したルンビニーの聖園は、まだ完成していませんが、できれば村に滞在してのんびりと朝夕に散策したいものです。村にはホテルやゲストハウスもありますが、各国の寺院にも巡礼者用の宿泊施設があり、旅行者でも決めごとを守れば安く(基本は寄付)宿泊できます。