男性のアイメイクに仰天!

パキスタンへ行ったばかりのとき、日本人の顔立ちとはまったくちがう、彫りの深い顔に目を見張りました。お化粧をしている女性はナチュラルメイクとはほど遠いフルメイク。しかし女性以上に目を惹いたのは、男性がアイラインを引いていることでした。初めはお化粧をしているのかと思ってぎょっとしましたが、美しく見せるためのお化粧という目的ではなく(美しさと無縁に見えるおじさんもやっている)、目の周りを粘度の高いラインで囲むことで、土ぼこりが入るのを防ぐためにするのだと知りました。

男性もばっちりアイメイク?パキスタンの路上でアイメイク体験 男性もばっちりアイメイク?パキスタンの路上でアイメイク体験

お化粧目的ではなく風土に適したメイクだった

乾燥した気候のパキスタンでは、たしかに土ぼこりはかなり気になります。未舗装道路が当たり前だった時代には、とくに大変だったはずです。彼らの長くびっしり生えそろっているまつげも、強い陽射しとほこりを除ける働きをしてくれるのでしょう。彫りの深い顔のハンサムな男性がばっちりアイメイクを施しているのは、さらにエキゾチックな魅力を引き立てて素敵です。彼らの顔とは対極ながら、私も昔、あの黒々としたアイメイクに挑戦してみたことがあります。場所は、今では治安が心配な北西部の街ペシャワール。平和だった当時は路上にたくさんの露天商がいて、路上アイメイク屋さんもいたのです。黒い石を細かく粉砕して油で練ったべとべとした液体を小瓶に詰めて売っていました。私がやり方を尋ねると、サービスで引いてくれると言います。目に何か事故があったらどうしよう?と一瞬迷いましたが、若さの好奇心が勝って、おじさんに任せました。

路上で、激痛のアイメイク体験!

太めの楊枝というか短めのお箸のような木の棒を瓶に突っ込み、上下のまつげの縁にグイーッと力強く引きます。思わず「いたたた!」と声を上げるほどの痛さ!できあがると瞼がベタベタとくっついてしまい、アイライナーが乾くまでは瞬きがとても重くなります。野次馬の人々が笑って見ているので心配になり、手鏡を出して自分の顔を見てみると、「自分で描いた方がマシだったはず」。まるで小さい子供がお母さんの鏡台でこっそりお化粧のまねごとをしているうちにこんなことに……というような顔になってしまいました。一緒にやってもらった友達はさらに派手に、目尻から2センチくらい真横に線を引っ張って、ツタンカーメンの金のお面みたいな顔に。そのあと二人でバザールを歩いていると、道ゆく人は大注目です。さすがに恥ずかしくなって、せっかくやってもらったばかりのアイメイクを物陰でこそこそと拭き取りました。

次回の旅ではあなたもチャレンジ?

情けない顛末ですが、男性のアイメイクに興味を持って体験してみた旅の一コマです。現在のペシャワールは治安が悪化していて、とても旅行者がこんなのんきなことをする状態ではないでしょうが、旅先でひととき触れ合いを経験する楽しさは、どこへ行こうと同じですね。中東世界で路上アイメイク屋さんを見かけたら、ぜひチャレンジを(ただし痛いですよー)!