ブライダルエステ中の女性の部屋にも訪問!

その奥さんの友達の家にも遊びに行きました。このお友達は、結婚式を間近に控えていました。私が訪ねていくと、いわゆるブライダルエステの真っ最中。照明を落とした暗い部屋の中で、黄土色のポロポロした練り粉を使って腕をマッサージしてもらっているところでした。それからヘナで腕に細かい模様を描いていきます。ヘナを施してもらっている花嫁さんがにこにこしているので、「おめでとう。花婿さんはどんな人?」と聞いてみると、「会ったことがないの」。たくさんの女友達に囲まれ、エステをしてくつろいでいる時間を楽しんでいる笑顔だったのでした。

パキスタンの若い男女と交流して知った、かの国の結婚事情(後編) パキスタンの若い男女と交流して知った、かの国の結婚事情(後編)

結婚式は楽しみ、でもそのあとは不安なのかも……

“会ったこともない男性のもとに嫁ぐのは不安にちがいない。でもこうして友達に囲まれておしゃべりしたり、豪華な婚礼衣装を選んだりしながら、自分が生涯で一度だけ主役になれる結婚式の日を待ち遠しく思う気持ちは、世界共通なんだろうな”と思いました。深読みかもしれませんが、女友達と過ごすことで、未来への不安を忘れようとしているようでもありました。

未婚男性の本音は?

“でも、女性は不安でも、男のほうは不安なんかないのかな?”パキスタンの未婚男性は女性との性行為を厳しく禁じられています。結婚すれば晴れてその禁止から解放されるわけで……若かった私は、浅はかにも“きっと男はみんな結婚がうれしいんだわ!”と考えました。ちょうどそのときに知り合った一人の未婚男性もやはり、結婚を目前に控えていました。私はさっそく彼にも聞いてみました。

結婚への不安は男性も同じ

「おめでとう!うれしいでしょう?花嫁さんはどんな人?」すると、まったく予想外なことに、彼は「ちっともうれしくないよ。親が決めた顔も知らない人と結婚するなんて、気が重いだけだよ」男性のほうも、不安なのは女性と同じだったのですね。私は、この彼も、期待されていない相手の女性も、なんだかかわいそうになってしまいました。それでもきっと、物静かで真面目な彼は、親の言うとおりにきちんと結婚式を挙げて、当日初めて会う奥さんと家庭を築いていくのでしょう。私には、よい家庭人になった彼の姿が目に浮かびました。

日本以外の結婚観を、もっと知ろう!

結婚は、恋愛結婚だけが幸せの道とは限りません。自分の感覚とはまったく別の結婚観を持つ国も、世界にはたくさんあるのです。パキスタンからは、結婚に関するさまざまなトラブルのニュースが伝わってきます。幼児婚の問題や強制結婚など、まるでパキスタンには正常な結婚生活を営む家は存在しないかのような、悲しいニュースが目につきます。しかし私が訪問したラホールのたくさんのご家庭は、みんなそれなりに幸せそうに暮らしていました。友情を大切にし、子供をかわいがり、客人を心からもてなしてくれました。外国人の女性はしつこいセクハラに悩まされることも事実ですが、旅行をすると、ニュースでは知り得なかったその国のよい面をたくさん知ることができますよ!