「肉骨茶」って何?

先日、シンガポールからいらしたお客様とバクテーの話になり、猛烈に食べたくなってしまいました。バクテーの漢字名は「肉骨茶」で、マレーシアとシンガポールで食べられている鍋料理です。ひとことで表現するなら‘漢方で煮込んだ豚のスペアリブ’。昔、マレーシアのクランで働く中国系の労働者が、スタミナ補給のために作ったのがルーツだとされています。豚のスペアリブを、漢方薬に用いるハーブやスパイス、ニンニクと一緒に土鍋で煮込んだものです。スパイスは主にクローブやシナモン、八角、コリアンダーなどが使われます。

シンガポールで必食のB級グルメ、具よりスープが命の鍋料理「肉骨茶(バクテー)」 シンガポールで必食のB級グルメ、具よりスープが命の鍋料理「肉骨茶(バクテー)」

いろいろなバリエーションがあるバクテー

同じバクテーでも、スープの色の濃さや、スパイスの使い方、豚肉以外の具材の有無などによって、いろいろなバリエーションがあります。マレーシアのバクテーは、豚肉以外にも臓物や油揚げ、野菜も一緒に煮込む具だくさんの鍋。シンガポールのバクテーはスペアリブとニンニクだけのシンプルなもので、潮州風と福建風があります。潮州風は、スープの色が薄めの茶色か透明に近く、薬効のあるハーブを加え、コショウの味が効いています。一方、福建人は塩味を好み、中国醤油を使った真っ黒いスープに仕上げます。

スープに感激した私のバクテーデビュー

もう10年以上前になりますが、シンガポールで働いていた友人のところに遊びに行った時の話です。彼女の家に泊めてもらっていたのですが、日曜日の遅めの朝、ご主人に近所のバクテー屋に連れて行ってもらいました。店は新聞を読みながらバクテーを食べるご近所の人たちで賑わっています。頼んだのはバクテーとご飯とお茶。ここのバクテーは福建風の黒いスープでした。じっくり煮込まれた豚ばら肉はホロリと骨から外れ、とろけるような食感がたまりません。しかしそれよりも、スープの美味しさにビックリ!!見た目からは想像できない、非常に奥深い滋味あふれる味でした。

お店の数だけスープがある

スープだけで、白いご飯がいくらでも食べられます。何かに憑りつかれたかのようにひたすらスープを口に運んでいると、お店の人がスープを足してくれました。そう、バクテーのお店はスープのおかわりができるんです。時々お茶を飲んで口の中をサッパリさせたら、またスープとご飯を摂取します。大満足のバクテーデビューでした。お店によってスパイスの配合が異なり、それぞれの秘伝のスープを楽しむという点は、まるで日本のラーメンみたいですね。「海南鶏飯」と双璧をなす必食グルメ、バクテーを食べに、今すぐシンガポールに飛んでいきたい気分です。