ご当地デザートの定番「アイス・カチャン」

赤道のすぐ北にあるシンガポールは常夏の国。最高気温は28〜32℃と一年を通じて暑いので、冷たい飲み物やデザートが人気です。なかでもシンガポーリアンが好むのは「アイス・カチャン」というシンガポール風かき氷。集合屋台のホーカーズ・センターなどでよく見かけます。「かき氷」といっても、削った氷にただシロップをかけたものではありません。新しもの好きでカラフルなものを好むお国柄を反映して、ボリュームもあり、トッピングも充実しています。

世界のデザート〜シンガポールのカラフルかき氷「アイス・カチャン」 世界のデザート〜シンガポールのカラフルかき氷「アイス・カチャン」

かき氷でカルチャーショック?

まず驚くのは、アイス・カチャンのかき氷の色合い。日本のかき氷にも、いちご味のピンクやレモン味の黄色、メロン味の緑色のシロップはありますが、シンガポールの場合、3色・4色は当たり前。目の覚めるような水色や、鮮やかなオレンジ色なども加わって、とにかく派手なトロピカル・カラーです。ぼんやりとしていると、暑さで山盛りの氷が溶けてしまいそうですが、それはそれ。ジュースのように冷たい口当たりを楽しむのもいいでしょう。

トッピングもシンガポール流

「トッピング」とはいえ、実際には山盛りのかき氷の下にあるのですが、氷といっしょに楽しむものもいろいろそろっています。仙草で作った苦みのある「グラスゼリー」や、パームヤシの種、熱帯の果物「サワースップ」など。仙草はシソ科の植物で、中国文化圏では暑気あたりを防ぐために生薬にもします。サワースップは中米原産の酸味のあるフルーツ。シロップやトッピングとまぜて食べるのがシンガポール流です。かき氷に、砕いたピーナッツの粉を盛大にかけている人気店もあります。

もともとの意味は「氷」+「豆」

「アイス・カチャン」(Ice Kacang)はマレー語で、Ice は「氷」、Kachang は「豆」という意味です。文字通り、あずきも入っています。そうえいば日本にも、氷あずきがありますね。ところで、アイス・カチャンにはなぜか必ずのっているものがあります。それは、スイートコーン。コーンスープを作るときに使う缶詰のとうもろこしですが、日本の氷菓ではちょっと見かけません。意外な組み合わせのように思いますが、慣れてくるとこれなしでは物足りなくなるとか。

デザートで手軽な異文化体験

シンガポールには、西洋風のアイスクリーム・チェーン店などももちろんあります。でも、日本ではめったに出会わない食材を味わえるのもシンガポールならでは。中国系、マレー系、インド系、ヨーロッパ系の人びとが暮らすミックス・カルチャーが魅力の国ですから、ホーカーズ・センターなどで地元の人にまじってローカルなデザートを食べてみるのも楽しい異文化体験です。アイス・カチャンにもお店ごとに個性があるので、食べ歩きも楽しめますよ。