メニューを端から端まで見てみると!

前編からの続きです。何はともあれ、暑い中を1日観光してきた仕上げにビールを一杯……そう思って品数ぎっしりのメニューを読んでみますが、なんと、見当たりません。もしやお酒を置いていないのでは!? あわてて顔を上げてもう一度周りを見ると、見渡す限りのお客さんは、誰もお酒を飲んでいません。「ああ、なぜ、座る前に気づかなかったのか」。夕食には絶対にお酒が欲しい私は、がっくりとうなだれました。

ソト・アヤムとジュース ソト・アヤムとジュース

サルタン・モスクのお膝元ですから

考えてみればここはアラブ人街のど真ん中。マレー系の地元のお嬢さんたちは、皆きちんと頭にスカーフをかぶっています。多民族国家のシンガポールは、さまざまな宗教を信じる人々が共存しています。世俗国家ですから宗教の制約はゆるめですが、イスラム教は比較的よく守られているようです。先ほどの観光客相手のレストランではお高いビールが飲み放題でしたが、地元の人に愛されるこのレストランでは、やはりお酒は出ないのですね。

ローカル度満点の楽しい食事!

気を取り直し、ライムがたくさん入ったジュースとソト・アヤム(インドネシアのスープ)、そしてチキンカツを注文しました。どれも気取らないおいしさの、庶民の味! しかもこれだけ食べて、たったの11シンガポールドル(2016年4月現在、約891円)! おしゃれな中東料理レストランで食べることを思えば、なんとお得なんでしょうか。てきぱきと注文をさばいていく店員さんたちも、「日本人? ぼくの名前はキンタローだよ、ホントホント!」などと素早く冗談を飛ばしてきます。このお店が集中的に流行っているのもわかります。活気にあふれて相席も楽しい、カンポン・グラム・カフェ。ブッソーラ・ストリートのおすすめです!

飲まない方には関係ない注意事項ですが……

ところでビールをあきらめきれないあなた(私のことですが)、帰りに同じ通りにあるセブンイレブンへどうぞ。バグダッド・ストリートを越えて、ブッソーラ・ストリートをさらにサルタン・モスク方向へ歩くと、右手にあります。しかし注意点が2点。ひとつは、日本で買うよりビールの値段が高いことです(500mlのギネスの缶が600円以上しました)。もうひとつは、夜10時半以降は、アルコール類は売らないということです。私は厳重に鍵をかけられたビールの冷蔵庫を前に半べそをかきました。ビール好きはこの点に注意して、カンポン・グラム・カフェとアラブ人街の夜をお楽しみください。