中心部を離れ、カトンまで行ってみよう

「あなたの好みはどっち? シンガポール名物、プラナカン料理店食べ比べ!」その2からの続きです。日を改めて次に選んだプラナカン料理店は「チリ・パディ」。郊外ながら美食の激戦地・カトン地区で20年以上も超人気店の座を保持している、「チリ・パディ」です。洗練されたムードと伝統の再解釈を無理なく提示する「キャンドルナッツ」に比べ、こちらはずっとオーソドックスな仕立て。けれども正統派のおいしさを堪能できる、もうひとつの名店でした。

英語と漢字で名前が書かれていました 英語と漢字で名前が書かれていました

小さくても刺激的な味! それが店名の「チリ・パディ」

こちらは混む時間帯を外してランチタイム終了近くに行ったので、予約なしでも入れました。グルメにことかかないカトン地区。プラナカンスタイルの美しい街並みを眺めつつ歩きます。チリ・パディのあるジョー・チアット・プレイスも、お店の入り口の前に赤い布製のぼんぼりがかけられ、いい雰囲気です。店名の「chili padi」とは、漢字で「辣椒香」と書き、小ぶりで辛味の強い唐辛子のことです。いかにも熱帯のレストランらしい名前ですよね。

人気店の余裕を感じさせる店内の雰囲気 人気店の余裕を感じさせる店内の雰囲気

壁の飾りに注目! ちょっとした博物館のようです

店内も、テーブルクロスや、壁や天井を飾るインテリアが南国調で素敵。飾り棚に置かれているパステルカラーの陶器は、プラナカンの食器です。また、額に入っているのは絵ではなく、ニョニャ(プラナカンの女性)の着る衣装でした。衣装の繊細なレースや、食器の愛らしさにうっとりします。店内をゴテゴテと飾りたてるのではなく、あくまであっさりと並んでいるところも落ち着きます。

展示されたものには解説も貼ってあります 展示されたものには解説も貼ってあります

「ブアクルア」は栗のような外見、コーヒーのようなほろ苦さが

友人と二人で、こちらのシグネチャーメニューを3品頼んでみました。まずはプラナカン料理の代名詞「アヤム・ブアクルア」。「アヤム」とはチキンのことで、これはチキンの煮込みです。一見、とても色の濃いチキンカレーのようですが、食べてみると非常に複雑。コクがあり、カレーとはちがうスパイシーさになんともいえない魅力があります。奥ゆきのある味わいの秘密は、ブアクルア(ブラックナッツ)という木の実にあります。実には毒性があるので、何日もかけて毒抜きしてから煮込みに使います。「実も食べられますよ」と、小さなスプーンをつけてくれるので、それで中身をすくって食べてみました。渋みとほろ苦さのある、大人の味ですよ。(その4に続く)

右側の黒いものがブアクルア 右側の黒いものがブアクルア