シンガポールでもインド系の人は映画好き!

旅人にフレンドリーなのは、インド国内にいるインド人だけではありません。たとえば、シンガポールのリトル・インディアのインド料理レストランでも、思わぬ展開がありました。そこは南インド料理の超有名店です。しかし、タミル映画(南インドのタミル語を使う映画)の大スター、ラジニカーントの名前を出したとたん、それまで私に対して、一般的な外国人観光客相手の応対をしていたウェイターたちが、驚きに目を輝かせて何人も集まってきたのです。

シンガポールのインド料理レストランで人気者! シンガポールのインド料理レストランで人気者!

最後にはデザートのサービスまで!

我先にとラジニカーントの物真似を見せてくれようとする人、「好きな女優は誰だ?」と聞いてくる人、「歌を歌え」と言ってくる人。私が、かつて日本でもヒットした『ムトゥ 踊るマハラジャ』の主題歌を歌うと、やんやの大喝采が起きて、最後にはインドのアイスクリームをサービスしてくれたんですよ。たまたま空いていた時間帯でしたが、他のお客さんもいるのにそんなことには構わずに仕事を放り出して集まってきてしまう、おおらかなインド人のウェイターたち。管理国家といわれるシンガポールでだって、インド映画がつなぐ人情はアツイのです。

そして香港名物チョンキンマンションでも……

香港でも、チムサーチョイの有名な複合ビル「チョンキンマンション」に入っているDVD・CDショップで、ネパール人店員を相手にインド映画トークをくりひろげ、DVDを一枚サービスしてもらったことがあります。同じくチョンキンマンションの2階にあるインド料理店でも、インド映画の話題をするだけで、黒山の人だかりになりました。私はヒンディー語、ネパール語、ウルドゥー語(パキスタンの公用語)をちょっとずつ覚えているので、それらをフル稼働させて話してみたのです。

南アジアをつなぐ架け橋となった私(?)

すると、レストランの店員だけでなく、隣の店舗の改装工事をしていた仕事中のインド人も、通りかかったネパール人も、他のお店のパキスタン人もやってきて、みんな私のインド映画の知識を尋ねまくってきます。映画雑誌を持ってきて、「この俳優知ってるか!」「じゃあこれは?」「じゃあこの人の奥さんは?共演した映画は?」などなど、早押しクイズのように口々に聞いてくる人々。それは本当にエキサイティングで、忘れられないひとときでした。

旅に“何を”持って行きましょうか?

このように、私の旅行は、インド娯楽映画の知識と、ほんの少しの外国語を覚えていたことが武器となりました。けれども武器となるのは人それぞれ。たとえば外国のカメラマニアの目を釘付けにする自慢のカメラを持っていく、ダンスや楽器などのパフォーマンスを披露する……。そんなことで、思わぬ会話が旅先で生まれるのです。自分のふだんの生活から、自分の“強み”を旅に持っていく。そう考えれば気楽ですよね。あなたの強みを旅に活かしましょう!