シンガポール国民の9割は高層団地の住人

高層ビルが林立する、近代都市のイメージがあるシンガポール。東京23区ほどの面積に約540万人が住んでいて、国民の9割はHDBとよばれる公団住宅で暮らしています。たいてい10階建て以上のHDBは数十棟が集まって立っているので、日本の団地のような雰囲気です。

近場の海外旅行でおもしろいシンガポール 高層団地にあるローカル・マーケット(その1) 近場の海外旅行でおもしろいシンガポール 高層団地にあるローカル・マーケット(その1)

住宅が高層化しても、昔ながらの市場は健在

もともとは低層の住宅が立ち並んでいた地域も、狭い国土の有効活用をめざした開発で、どんどん高いビルに変わっていきました。しかし、人びとが昔から親しんできた市場や「ホーカーズ・センター」(屋台街)は高層団地の谷間に今でも健在で、住人達があいさつを交わして立ち話をするような雰囲気が残っています。 

床が濡れている市場、「ウェット・マーケット」とは

わたしは、地元で「ウェット・マーケット」とよばれる生鮮市場を訪ねるのが好きです。市場にも、衣類や日用雑貨などを扱う市場や、野菜や果物、肉や魚を売る市場があります。「ウェット・マーケット」(床が濡れている市場)は、生鮮食品を売る市場のことで、よそいきでない、ふだんのシンガポーリアンの暮らしぶりがわかる場所です。ここで買った食材が料理されて家庭の食卓に上るわけですから、いわばよその家の冷蔵庫の中身を見て歩いているような気分になります。

市場とスーパーマーケットをバランスよく

シンガポールで食品を買う場所としては、デパートやスーパーマーケットなどもありますが、量り売りが中心のウェット・マーケットは、買う量の調整もでき、全般的に値段も安いようです。まとめて買ったり、お店の人と顔なじみになったりすれば、おまけしてくれることもあるそう。一番の魅力は食材が新鮮なことで、スーパーマーケットより鮮度がいいのは一目瞭然です。ただ、有機栽培の野菜や果物がほしいとか、産地情報を確認したいということなら、表示がわかりやすいデパートや高級な食材店の方が適していて、シンガポールの人びとは、スーパーマーケットとウェット・マーケットを上手に使い分けて買い物をしています。シンガポールには約3万6千人の日本人が暮らしていますが、市場の利用度は、住んでいる場所や買う物によって分かれるようです。(その2に続く)